哀しい記憶


我身だけに向けられた笑顔
我身だけが知る笑顔
忘れぬように目を閉じる
大切な瞬間

内なる世界の 至上の存在
すぐ側にあって 遙か遠い人
その総ては 一指も望めないけれど
定まることのない笑顔の記憶だけが
唯一手に入る破片(かけら)

そこにあるはずのない存在を探す時
時間の無駄遣いを自覚する
でも 思い出さずにはいられない
綺麗で 含むところのない笑顔
幸せで 哀しい記憶

我身だけのもの 誰にも奪えないもの
記憶ごと 身体ごと 両腕で抱きしめる