基地だらけの島に住む怖さ 一番悪いのは沖縄人


 いつも思っていたことがある。「アメリカ本国に爆弾の1つも落ちれば、あのいばっているアメリカだって沖縄の痛みが少しは分かるだろう」
 アメリカでテロが起こったというニュースを聞いた時、「ざまーみろ!」と思った。でもすぐに大勢の人が犠牲になったビル現場をテレビで見て、とても後悔した。「なんという悪魔の考えを私はしたんだろう…」。テレビを見ながら涙があふれ出て止まらなかった。

 私だって1人娘があのビルにいたとしたら、地の果 てまでも犯人を追いかけて絶対に殺してやるだろう。だがそのために、何の罪もない人までも巻き込んで犠牲にしようとは思わない。「己に従わないやつはすべてやっつける。我こそは正義なり」のアメリカには、ホント、腹が立つ。もっと腹が立つのはそのアメリカにヘイコラしてついて行こうとしているこの国、日本だ。

 アメリカの攻撃から逃れようと大勢のアフガニスタン人が難民になっている。その難民をアメリカが支援し、日本も参加するという。まったくもって矛盾している。支援するぐらいなら難民をつくる戦争をするなっての!
 米軍には大勢の移民の若者が入隊している。私が金武町の外人バーで出会っただけでもフィリピン人、韓国人、メキシコ人、アイルランド人がいた。みんな貧しさから逃れ夢を追ってアメリカに行く。その中にはアフガニスタン人もいるかもしれない。なんと悲しいことか。

 最近頭にきていることがある。ヤマト(本土)から沖縄への観光旅行の予約が相次いでキャンセルされているという。理由は「飛行機が危ない」「基地の多い沖縄はテロがあるかもしれないから危険だ」。
  じゃーなにかい?私たち沖縄人は基地だらけの危険な所に住んでいて、あんたたちは安全な所に住んでいるというのかい?沖縄を人ごとのように切り捨てるあんたたちヤマトの人って、いったいなんなの?

 でも一番悪いのは、米軍がいることにすっかり慣れてしまった私たち沖縄人かもしれない。
 宜野湾市のド真ん中に米軍の普天間飛行場がある。その移設予定先の名護市で、代替基地建設をめぐり地元住民が賛成派と反対派の真っ二つに割れている。
 「戦争になったら基地がある所が真っ先にねらわれるんだよ」と私が言うと、決まって賛成派のおじさんたちに笑って言い返された。「沖縄は50年余りも戦争がなかった。これから先もないよ」
 今回のテロで基地があることの怖さを知り、賛成派が考え直してほしいと、私は心から願っている。
 アメリカの味方をしてビクビク生きるなんて、まっぴらごめんだ。

(2001年10月22日 月曜日 琉球新報に掲載)



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