クラカン劇場


クラカン九州道中記(’01in佐賀)


場所は佐賀武雄温泉。そして我々は今年もアンコンではすっかり定着したコテージでの宿泊・練習である。
しかし、今回のコテージは周りに畑以外何にもない。日が暮れたら辺り一面真っ暗になりそうな・・。
そして、寒い!さすが山の中である。さっそく暖房を・・ん?このエアコン、効きが悪い!ちょっと離れると寒いの何のって。トイレなんか外温と変わんないじゃねーか!う〜、トイレ行きたくない・・。

・・まぁ、その分、夜中に楽器吹いたって迷惑じゃないだろな、と思いつつ取りあえず練習。
しかし、楽器が温まらない。一同先を争うようにエアコンの下へ。
経験のないこの寒さでの演奏は、南国育ちにはツラいな・・と感じながら練習を終えた。
しかし沖縄とは違うコンディションを痛感する事になったのはこの後だったのである。

本番の日、そこそこの出来具合をリハーサルで確認してステージへ。
そして演奏・・あんまり音が響かないな・・。
序奏が終わると、後は延々とタンギングのパッセージが休みなく続く。
やがてそのタンギングのパッセージがやってきた。

「!?」

唾が出ない。こんなに強い乾燥を感じたのは初めてである。タンギングによる激しい舌の運動で、たちまち口の中がカラカラになってしまった。
ヤバイ・・もともと柔らかいリードを使っていたことも関係するのか、リードに舌がペッタリと張り付く。
ついには音が切れなくなってしまった。
そして、

ギャー!!

音の変わりに特大のリードミスが鳴り響いた。

考えもしなかった演奏。今までのどの練習よりも最低な結果にメンバー一同呆然となり、気がつけばそのまんまの顔で記念写真用のカメラのシャッターが切られていた。
その後ねーさんは駐車場のレンタカーでフテ寝となった。

演奏会場から帰るとき、メンバーはさながら柳沢慎吾の気分となっていた。
一同は振り向きざまに思わず叫んでいた。

「あばよ!!!」


                        
  
  


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