クラカン劇場


おぎっちの恥はかきすて その1


今年の夏、わたしは貴重な経験をした。
中学の頃からクラリネットを吹いているが初めて九州吹奏楽コンクールに出たのだ。

本番当日、出番がはやいため、あまり時間に余裕はない。
(今のうちにトイレに行っておこう)
そう思い楽器を組み立てると、とも姉、Aさんとトイレへ走る。
急いで出てくると、みんなチューニング室へ移動をはじめていた。

チューニング室、思うように音が合わない。
不安を残したまま舞台裏へと向かう。

舞台裏に着き出番を待つ。
(次は私達だ。)
何気なくうつむくとズボンのファスナーの間から黒い糸のようなものが出ている。

( ̄□ ̄;)!?

な・
な・な・な・
な・・・・・なんだ。
よく見るとただの黒い糸だった。
誰も見ていないうちにサッと糸をぬく。
(あ〜そういやさっきトイレに行った時ファスナーしめにくかったなぁ)
なんて考えてるうちに笑いがこみ上げてきた。
黙っていればいいものを誰かに話したくなり、近くにいたAさん、Mさんに話してしまった。

本番直前で集中していたはずなのに。
こみ上げてくる笑いを必死でこらえながら私は舞台にあがった。


                        
  
  


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