クラカン劇場


オフィスの叫び(招待状編)


結婚の披露ということで、親戚を集めて食事会をすることになった。
日程も迫ってきたある日、私は職場で残業をしながら、食事会の招待状の作成がまだであることを思い出した。
「やばいよなぁ、もうそろそろ招待状作んないとなぁ。」
原稿はすでにワープロで作っており、あとは印刷するだけの状態だったので、私は今日のうちに印刷してしまおうと企んだ。

  

「ちょっと拝借・・・」辺りをうかがいながら、こっそりプリンタの電源を入れ、招待状用に用意した紙をセットした。
そしてスタート・・・
すると紙が出てこない。
見ると、紙を送り出すローラーに用紙が巻き付いている。
私は手でからまった用紙を取り除いた。そしてもう一度印刷ボタンを押した。
今度は紙は出てきたが、見ると文字が2重に写っている。
ん?もう一度・・何度やっても文字が2重に写って印刷されるのだ。
あれ?と思い、もう一度ローラーをよく見てみると、取り除いたはずの最初の用紙の上っ張りがローラーにこびりついているではないか。
・・・これって、最初の印字が版画のように残って印刷されてるってこと・・・?
私は試しに仕事で使用する伺い文書を印刷してみた。



何で私の披露宴について上司に伺わなくてはいけないんじゃ!まさか・・・今後このプリンタで印刷する人の文書には、すべて私の披露宴の案内文がスカシのように入るってこと!?

 いやぁぁぁぁぁっっ!!!

その後3時間、私は半ベソになりながら、苔のごとくビッシリと、しかもしっかりと張り付いた用紙の上っ張りを丁寧にこそぎとる作業を余儀なくさせられる羽目となった。
何とか元どおりになった時、窓の外は夜がすっかり更けていた。
また故障するのでは・・と、私はすっかりビビってしまい結局原稿は印刷できないままとなってしまった。
こうして私の招待状印刷計画は失敗に終わった・・・。


 
  

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