クラカン劇場


オフィスの叫び(結納編)


結納を次の週に控えたある日、私は職場で残業をしていた。
すると結納の会場となるホテルから電話がかかってきた。
「来週の結納の件ですが、出席者の名簿をいただけませんか。」
「わかりました。後ほどFAXで送ります。」
そう答えて私はFAXの所へと向かった。
「ちょっと拝借・・・」辺りをうかがいながら、こっそり原稿を乗せ、ホテルのFAX番号を打ち込んだ。
そしてスタート・・・
すると次の瞬間、さっき入力したホテルのFAX番号が画面から消えた。
代わりに見たこともない×××株式会社のFAX番号が表れた。
後で知ったのだが、その前にFAXを使った時の番号がなぜか消えずに残っていたのだ。
「えっ??」と言ってる間にも原稿はスルスルと送られている。
ストップ・・ストップ・・!!・・なに、止まらない!?
ついに原稿は完全に送出され、ピーっという音とともに「正常に送信されました」のメッセージが出た。
まさか、全然知らない会社に結納の原稿を送ったってこと!?

 いやぁぁぁぁぁっっ!!!

相手先の電話番号もわからず、呆然としているところへ私あてに電話がかかってきた。
「あのー、×××株式会社ですがお宅様からFAXを受け取ったんですが。結納の出席者だとか・・・。」
一人パニック状態の私にトドメを刺したのは他でもない私自身だった。
「破棄して下さいますようお願いします」と言うべきところを、頭の中で整理もできないまま私は無意識に答えていた。
「どうもすいません。よろしくお願いします・・・。」



                        
  
  


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