クラカン劇場
大学の頃、とある予備校から入校生を迎えての出発式があり、その式典での演奏のアルバイトの話があった。 「大学生としての先輩からのエール」という意味もあったのだろう。 出発式とはいえ、場所は某市民会館の大ホールであった。 大勢の入校生が見つめる中、私達は当時流行っていたヒット曲を中心に演奏した。 演奏そのものは無事終わったのだが、会場から帰る途中、メンバーの一人がつぶやいた。 「今日のあの曲、ちょっとヤバかったんじゃないですかね。」 あの曲・・あー、小林明子の「恋に落ちて」ね・・。 確かに縁起悪かったかなぁー・・。 まぁ、いいんじゃないの、偶然だし。 1年後、また例の予備校から出発式の演奏の話がきた。 またまた私達は当時流行っていたヒット曲を数曲演奏した。 演奏が終わっての帰り、またしてもメンバーから話が出た。 「今回のあの曲、考えたらマズかったんじゃないですかねー?」 「何が?」 「あれですよ、光GENJIの『スターライト』」 「どこが?」 「あの曲のサビの部分ですよ。『恋はROLLIN'ROLLIN'・・』ってとこ、『恋は浪人浪人・・』って聞こえません!?」 「んな事言ったってさー!」 でも、確かに替え歌にして遊んでたような気がする。 まぁ、その時のヒット曲だし、偶然なんだから・・ハハ。 次の年、予備校からの演奏の話は来なかった。 やはり縁起が悪いと思ったのだろうか。 いいバイトだったんだけどなー、残念。 ちなみにその時練習していたのは、当時のヒット曲、近藤マッチの「愚か者」だった。 余談だがその予備校、倒産して今はない・・。 |