1) |
片頭痛(血管性頭痛)
頭皮にある動脈に強い血管拡張が生じ、血管拍動に一致した『ズキンズキン』とした頭痛が生じます。痛みは、側頭部ついで後頭部に多く、通常一側性で持続時間は4〜24時間。家族歴も濃厚です。頭痛に伴って光視症(フラッシュライトのような光が視野の一部に出現する状態)が出現することが多く見られます。 |
2) |
筋収縮性頭痛(緊張性頭痛)
ほとんどが両側性で、主に後頭部に圧迫されるような張ったような鈍痛が持続します。女性に多く、精神的ストレスとの関連もみられます。後頚筋群(首から後頭部にかけての筋肉)の持続的収縮が主因です。慢性頭痛の多くはこのタイプで、アルコール飲用で頭痛は改善します(血管性頭痛では悪化)。 |
3) |
群発性頭痛
主として男性にみられ、一側の眼の奥および眼の周りに激しい持続性の痛みが2時間程続き、『燃えるような』あるいは『刺すような』痛みと表現されます。年に1〜2回程度の発作頻度であることが多く、頭痛と同時に頭痛側の眼の充血・流涙・一側のまたは両側の鼻閉や鼻汁などが出現します。 |
4) |
緊張性一血管性頭痛
上記の1)と2)が混在するタイプの頭痛。緊張性頭痛の1/4は片頭痛の症状も有し、両者の性格をもつ混合型と考えられています。 |
5) |
後頭神経痛
後頭部皮膚に分布する神経の神経痛で、後頭部領域の『ピリッ』とした痛みが数秒間続きます。多くは原因不明ですが、頚部脊椎病変や痛風などが原因となる場合もあります。 |
6) |
三叉神経痛
顔面の知覚を脳に伝える神経が、三叉神経です。この神経が過敏状態になるのが三叉神経痛です。三叉神経はその名の通り三つの神経からなり、第T枝は眼周囲および額、第U枝は上顎、第V枝は下顎、の知覚を脳に伝えています。この内、第T枝領域の痛みは、頭痛として自覚されることも多いのです。 |
7) |
その他(発熱・高血圧・副鼻腔炎・緑内障など)
発熱では頭皮の血管が拡張し、拍動性の頭痛を生じることがあります。
また、高血圧でも後頭部や側頭部領域の鈍痛が起きることがあります。
さらに、副鼻腔炎では前頭部から眼周囲の頭痛を生じることがあります。
緑内障でも、眼圧の上昇に伴い前頭部を中心とした激しい頭痛を生じることがあります(多くは眼痛を伴いますが自覚されないこともあります)。通常、何らかの視力・視野異常を伴います。 |