1) |
クモ膜下出血 |
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クモ膜と脳の間のスペース(クモ膜下腔)に出血した状態。 外傷以外では脳動脈瘤による出血が殆どです。 突然激しい頭痛が生じ『突然ハンマーで殴られた様な痛み』と表現されたりします。 脳動脈瘤破裂は死亡率も高く、救急車搬送の対象です。 |
2) |
高血圧性脳出血 |
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高血圧のため、脳深部にある細い動脈が破れ出血します。 出血の大きさにもよりますが、通常激しい頭痛を生じます。 片側の手足の動きが悪くなる片麻痺を伴っていることが多く、早急な治療を要します。 |
3) |
脳梗塞 |
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通常の脳梗塞では頭痛は生じません。 広い範囲で脳梗塞が起きると頭痛の原因となることがりますが、この場合一般的には意識障害を伴っており、尋常な状態ではないことは一目で分かります。 勿論緊急事態です。 |
4) |
脳腫瘍 |
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一般的には、悪性脳腫瘍では周囲の脳に腫れ(脳浮腫)を生じ頭痛を伴うことが多く、良性の場合は何らかの他症状(片麻痺や言語障害など)が出現しても頭痛がないことがあります。 いずれにしても軽度から中等度の頭痛があることが多いので、気になる症状を伴っているようであれば早めに専門医を受診した方が懸命です。 |
5) |
慢性硬膜下血腫 |
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硬膜とクモ膜の間のスペースに血腫(血液の塊)が形成された状態です。 通常このスペースは広くありませんが、高齢になると脳の萎縮によりこのスペースが広がり、軽微な外傷(壁に頭をぶつけたなど)が原因で小さな出血を生じ、これが時間をかけて(1〜2ヶ月)徐々に大きな血腫となり、脳を圧迫するようになります。症状は、痴呆様の症状が主ですが、軽度の頭痛を伴うことも多々あります。 早めに脳神経外科を受診し、治療を受けるべきです(比較的簡単な手術で殆どの方が元の状態に戻ります。) |
6) |
感染(脳炎・髄膜炎など) |
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頭蓋内に細菌やウィルスが侵入し、感染を生じると脳炎や髄膜炎になります。 脳炎では発熱とともに激しい頭痛が生じ、やがて意識障害が生じてきます。 早急に治療を開始しなければならない状態です。 髄膜炎では軽症から重症のものまでありますが、激しい頭痛と発熱が生じます。解熱剤を使用して解熱しても頭痛が続くようであれば、髄膜炎の可能性があります。 |