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第19回 『頭痛対策のすすめ』

                               平成29年7月22日


今回のテーマは
緊張型頭痛の姿勢・運動療法です。

◆頭痛の分類 
◆緊張型頭痛とは 
◆姿勢・運動療法 
◆運動時の注意点 

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 頭痛の分類 

◆一次性頭痛
 明らかに頭痛の原因となる疾患のない頭痛。
大部分の頭痛がこれに含まれる。

◆二次性頭痛
 感染症などの全身疾患、脳腫瘍や脳出血など
頭痛の原因となる疾患がある頭痛。


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 二次性頭痛とは、原因となりうる疾患により発生したもので、頭部や頚部の外傷、脳出血やくも膜下出血などの脳血管障害、脳腫瘍などの頭蓋内疾患、インフルエンザなどの感染症、頚部・眼・副鼻腔・歯などの疾患、などによって生じてきます。
 これに対し、一次性頭痛とは、これら明らかな原因がないもので、大部分の頭痛がこれに含まれます。

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一次性頭痛の分類(ICHDー3β)

1.偏頭痛
2.緊張型頭痛
3.三叉神経・自律神経性頭痛
4.その他の一次性頭痛疾患

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 頭痛の国際分類は、1988年に初版が発表され、2004年に第2版、2013年に第3版β版が公開されました。これによると一次性頭痛は、k片頭痛、緊張型頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛・その他の一次性頭痛疾患に分類されています。
 三叉神経・自律神経性頭痛には、従来の群発頭痛とそれに近いタイプの頭痛が含まれています。
 また、その他の一次性頭痛には、咳嗽性頭痛・運動時頭痛などが含まれます。

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 緊張型頭痛の分類(ICHDー3β
2.1 稀発反復性緊張型頭痛
 2.1.1 頭蓋周囲の圧痛を伴う稀発反復性緊張型頭痛
 2.1.2 頭蓋周囲の圧痛を伴わない稀発反復性緊張型頭痛
2.2 頻発反復性緊張型頭痛
 2.2.1 頭蓋周囲の圧痛を伴う頻発反復性緊張型頭痛
 2.2.2 頭蓋周囲の圧痛を伴わない頻発反復性緊張型頭痛
2.3 慢性緊張型頭痛
 2.3.1 頭蓋周囲の圧痛を伴う慢性緊張型頭痛
 2.3.2 頭蓋周囲の圧痛を伴わない慢性緊張型頭痛
2.4 緊張型頭痛の疑い
 2.4.1 稀発反復性緊張型頭痛の疑い
 2.4.2 頻発反復性緊張型頭痛の疑い
 2.4.3 慢性緊張型頭痛の疑い
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 以前には筋収縮性頭痛と分類されていた頭痛で、我が国の1年有病率は22.4%、全頭痛の56.3%を占めるという報告もあります。
 頭痛の頻度・圧痛の有無により、細かく分類されています。
 稀発反復性緊張型頭痛は、1ヶ月に1日未満の頻度で発現する頭痛。
 頻発反復性緊張型頭痛は、3ヶ月を超えて、平均して1ヶ月に1〜14日(年間12日以上180日未満)の頻度で発現する頭痛。
 慢性緊張型頭痛は、3ヶ月を超えて、平均して1ヶ月に15日以上(年間180日以上)の頻度で発現する頭痛です。
 さらに、頭痛の頻度や性状が診断基準(専門的になるためここでは表示しません)の5項目中1項目のみ合致しない場合には、緊張型頭痛の疑いに分類されます。

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 緊張型頭痛の病態 

1)末梢性感作
  頭頚部筋群における頭蓋周囲筋膜の痛み
 感受性増加によって引き起こされた圧痛。

2)中枢性感作
  長期間にわたる持続する疼痛刺激が誘因となり、
 扁桃核・視床下部からの下行性疼痛抑制系の機能
 低下によって生じる痛み。

 ※1)2)が相関して頭痛を引き起こす。
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 緊張型頭痛の原因は、大きく分けて二つからなります。
 頭蓋周囲筋膜への刺激が繰り返されると、ちょっとした刺激で痛みが出現する所謂感作の状態となる末梢性感作。
 そして、長期間の痛み刺激が続くと、疼痛抑制に働く扁桃核・視床下部からの神経活動が何らかの原因で低下してくることにより、軽度の刺激で痛みを生じてしまう中枢性感作です。
 緊張型頭痛は、この二つの原因が相関して、頭痛が生じやすくなった状態と考えられます。

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 緊張型頭痛の誘発因子 
 
●精神的・社会的ストレス
●不安・抑うつなど心因性要因
●頚椎ヘルニアなどの頚椎病変
●視力障害を有する眼科疾患
●その他、寝不足・疲労・空腹など


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 緊張型頭痛では、頭痛を誘発するような因子が存在します。
 精神的・心理的ストレスさらには不安などの心因性要因でも、後頚部筋群の緊張を生じ(所謂、首こり・肩こり)、誘因となりやすいものです。
 また、頚椎にヘルニアなど何らかの障害があると、後頚部筋群に過度の緊張を生じやすく、誘因のひとつとなります。
 さらには、視力障害・寝不足・疲労・空腹でも、後頚部筋群に緊張を生じやすくなります。

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 緊張型頭痛の診断 
1)頭痛が30分〜7日間持続する
  *慢性緊張型頭痛では、数時間〜数日間

2)以下の4つのうちの2つを満たす
  a)両側性
  b)性状は圧迫感またはしめつけ感(非拍動性)
  c)強さは軽度〜中等度
  d)歩行や階段の昇降のような日常的な動作に
    より憎悪しない

3)ほかに最適なICHD-3βの診断がない。
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 緊張型頭痛の診断は、頭痛の性状を中心に判断されます。
 まず、頭痛の持続時間は30分〜7日間で、その性状は頭の両側で締め付けられる感じのものです。日常生活は通常に行える程度の軽度〜中等度の痛みがほとんどで、日常生活動作による悪化も見られないのが通常です。
 さらに、片頭痛で見られるような吐き気・嘔吐がなく、光や音に対する過敏状態がないのも特徴です。

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 緊張型頭痛の治療 

 1)急性期治療
     鎮痛薬
     筋弛緩薬
 2)予防治療
     抗うつ薬
     抗不安薬(筋弛緩作用をもつもの)
 3)その他
     理学療法
     運動療法
     マッサージ

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 頭痛が強い急性期には、鎮痛薬内服または筋弛緩薬の内服あるいは両者の併用が効果的です。
 頭痛の誘因となる状態を改善する予防薬としては、抗うつ薬・抗不安薬が用いられ、筋弛緩に役立ちます。
 さらに、その他の治療法としては、頚部の牽引や温熱療法などの理学療法、筋力の増強や筋緊張低下を目的とした、姿勢・運動療法。筋肉の緊張を和らげるためのマッサージなどがあり、急性期治療また予防的治療として効果的です。

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 姿勢を改善しましょう 
   
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パソコンやスマホ、読書をするとき背中、肩が丸まった姿勢になりやすい。

1日1回は、正しい姿勢にリセットしましょう。

壁を背に立ち、頭、肩、おしり、かかとが縦一直線になるように立ちましょう。

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 首や肩の筋肉を運動でほぐしましょう

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頭を支えている筋肉は固く緊張しています。
運動で伸び縮みをすることでほぐれていきます。
ゆっくりと動かし、伸ばしましょう。

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 首の運動@
前と後ろへゆっくりと動かし5秒止めましょう。

首の前と後ろの筋肉が、伸びるのを感じましょう。

3回ずつ行いほぐしましょう。

※後方への動きで痛みがある場合は
  深く曲げすぎないようにしてください。
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 首の運動A
右と左にゆっくりと曲げていきます。

5秒止めて首や肩の左右の筋肉の伸びを感じましょう。

左右3回ずつ行います。
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 首の運動B 
右と左にゆっくりと回しましょう。

5秒間とめて筋肉の伸びを感じましょう。

3回ずつ行いましょう。
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肩の運動@ 
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肩と肘が垂直になるように上げ、頭と腰は固定し、肘を前後に出してひねります。

5秒止めます。

左右交互に3回ずつ行いましょう。

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肩の運動A
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頭の後ろで手を組む。
上方に腕を伸ばして行きます。
肘をしっかり伸ばしましょう。 5秒止めて頭の後ろに戻します。
3回行います。

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肩の運動B
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両肩を5秒間ゆっくり息を吸いながら上げていきます。

息を吐きながら力を抜きます。

3回ずつ行います。

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肩の運動C
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肩甲骨を内側に寄せるように肩を下げて行きます。
  
(胸を張るようにします。)
手を後ろ手に組んで行うと行いやすい運動です。

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運動時の注意点

@頭の痛みが強いときの実施はお勧めしません。

A動かす方向により強い痛みを感じる場合は、痛みを感じるよりも少し手前で止めましょう。

B腕よりも、背中(肩甲骨)、胸の動きに意識をむけて、胸や背中(肩甲骨)をしっかり、ゆっくり動かしましょう。

C習慣化することで効果が出てきますので、生活の中に上手に取り入れて下さい。


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