映画雑文 | ||
ブルート BASTARD |
監督■マーチェイ・ディチェル 出演■ティル・シュヴァイガー/ポリー・ウォーカー/ピート・ポスルスウェイト/ジョン・ハート 1998 ドイツ 90分 待望のティル主演作。 共演陣がピート・ポスルスウェイト、ポリー・ウォーカー、ジョン・ハートとイギリスの実力派揃いですごいです。 ロンドンの刑務所から釈放の条件として社会奉仕活動を課せられたブルート(ティル)は、ルーマニアの孤児病院へやってくる。 おそらくその施設の職員はワルのはずだから、子供達を救うために戦うティルのアクション・ヒーローものだと思っていたら、何と、とんでもなかった。 そこがハリウッド映画との大きな違いか…。舞台がルーマニアの辺境にある孤児病院ということで想像していただきたい。 ある種の重い社会派ドラマ、またはドキュメンタリーを観ているような印象でした。 登場する大人達すべてが悪人というわけではない。子供達を心から愛している看護婦、エチルアルコール(メチルは飲めません。あしからず)を愛飲しているアル中の医者でさえ、医師としての尊厳を忘れず必死に医療に取り組む。 しかし、“気持ち(愛)”だけでは子供達を救えない。目の前にあるのは“貧しさ、お金がない”という現実。 喘息の発作で苦しむ子供のための酸素ボンベさえ満足に買えない。 そのために選んだ道は、人身売買…。 私には“悪夢”にさえ思えました。現実にあり得ないことでないかもしれない、と。 こういうテーマに初めて出会った気がして、かなりショックを受けました。 スーパー・ヒーローが見事解決!というお気楽なエンターテインメントではありませんが、いつしか子供達に慕われていくティルの魅力がよく伝わってくるし、役者達の演技が見応えあります。 おまけ:肉体派美女のポリー・ウォーカーとティルのワイルドなラブシーンにドキッ。 |