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映画雑文えんぴつ
エドtv
Ed TV
監督■ロン・ハワード
脚本■ローウェル・ガンツ/ババルー・マンデル
出演■マシュー・マコノヒー/ウディ・ハレルソン/ジェナ・エルフマン
1998 アメリカ 123分
http://www.uipjapan.com/edtv/index.htm(オフィシャル・Japanese)


最近流行りのTV番組といえば、視聴者参加型の“ドキュメンタリー・バラエティ”というのが、日本もアメリカも同じのようで、ほんの一市民が一夜明ければ有名人というコメディ。

劇中、こんな台詞がありました。
「特別な存在だから有名なのでなく、有名だから特別なんだ。」
う〜ん、名言。

手の届かぬ雲の上のスターに憧れる一方で、隣の兄ちゃん・姉ちゃんがあっという間に有名人になる世の中。人々は何よりも<名声>を求め、TVに映りたくてしょうがない。

「有名になれたらどんなにいいかしら。」そう思う気持ちの底には、有名=幸福、素晴らしい、ビューティフル、天国、楽園、何でもできる、望みかなえたまえ、私は特別、ひれ伏す人々、快感・・・、という思いがあるに違いない。<名声>そのものに魅力があるのでなく、<名声>がもたらす何かに魅力があり、それを求めるのだ。有名人になったのに、何も特権がなければ魅力などないし、<名声>を手に入れる意味がない。しかし、<名声>を手に入れると同時に失うものだってあるはずなのに、なかなかそれには気が付かないのよね。“有名税”は高くつくってこと。

本作のテーマは<名声>。それによって人生がどう変わるか、そして、その<媚薬>による代償は何なのかということ。

私はジム・キャリーが苦手なので、彼が主演の「トゥルーマン・ショー」は観ませんが、同じTVというメディアの脅威を扱っていても、おそらくテーマは異なるものでしょう。

監督のインタビューによると、主人公の俳優を、“ドタバタ喜劇にするコメディアン”か、または“リアリティのある面白い役者”にするかが大きな決断だったようです。主役のマシューをはじめ、エレン・デジュネレス、マーティン・ランドー、サリー・カークランド、デニス・ホッパー、ロブ・ライナー等々、とても魅力的な俳優人が揃っていて楽しい作品。どなたにも安心してオススメできます。

2001.2.26




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