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映画雑文えんぴつ
スパイ・ゲーム
SPY GAME
監督:トニー・スコット
脚本:マイケル・フロスト・ベックナー/デヴィッド・アラタ
出演:ロバート・レッドフォード/ブラッド・ピット/キャサリン・マコーマック
2001 アメリカ 127分
http://spygame.eigafan.com/(オフィシャル・Japanese)

http://www.universalpictures.com/spygame/(オフィシャル・English)


ソ連崩壊後の今どきのスパイ映画はこんな手法もあるんだなぁ、と納得。>回想シーン

レッドフォードも自ら監督を務めるほどですからね、トニー・スコットのテンポのいいアクションにレッドフォードの情の厚さが加わったかというか。ん〜、ニャンコ満足♪

この作品の最大かつ重要なテーマになっている二人の男の絆が、レッドフォードとブラピを交えるということで、観客にはとても自然に伝わってくる。全財産を投げ出しても助けてやりたいという気持ちに、「そうだよ、そうだよ。」とすんなり納得できてしまうのだ。そこには長々とした説明や理由など要らないではありませんか。

本作品のレッドフォードは「コンドル」(1975、監督:シドニー・ポラック、未見の方は是非どうぞ!)の主人公の約25年後。一途で理想家のブラピを見て若かりし頃の自分と重ね合わせ、「あんな〜時代も〜あったねと〜♪」と思うわけです。一方、本物志向のブラピは、レッドフォードの洗練されたスパイ・テクニックに魅了され、プロの道を究めていく。さらに年齢こそ違え、風貌はとてもよく似ている二人ですから、何かしら惹かれ合うものがあってもおかしくない。

というように、ミュアー&ビショップという役柄は、たちまちレッドフォード&ブラピと置き換えてもいいのです!

ね、ね〜、脚本に限らず製作側の細やかな配慮を感じませんか?

そして、グッとくるラストシーン!(ヘリコプター内部にて)
ほとんどが回想シーンで登場のブラピが最後に見せる会心の演技。今まで上手いと思ったことないけど、このラストシーンはホントに上手かったと思う。ここまでタメにタメた脚本もまた良い! 本作品のクライマックスですからね。ここでコケたら、レッドフォードの今までの苦労はナンだったの?というくらい重要な場面で、ブラピはしっかり観客を泣かせてくれました。「12モンキーズ」(1995、監督:テリー・ギリアム)のイカレ役より、こちらの方を数段評価してほしいです。

本来なら悪役の憎まれ具合で作品の面白みが増すのでしょうが、そんな悪役要らずのスパイ映画も珍しいです。そう、この二人のツーショットがあれば、万事OKなのさっ。


2002.1.4


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