泡盛の女王選出大会 1次予選



一次審査は締切日から3日後。(今回締め切りは1月19日、1次審査(予選)は1月22日日曜日でした)
私が指定された時間は1時でした。(人によって指定される時間は違うようです)
2時間かけて念入りにメイクとヘアースタイルを決め、時間ぎりぎりに行くよりはと早めに出たのですが、早めに出すぎて、1時間前にRBC前に到着。
年末ほどではなかったのですが、その日もとても寒い日でした。
早すぎても迷惑がられるだろうと30分前までRBC周辺をぐるぐるしながら 自己PRを何度も口の中で復唱。しかし寒さに我慢ができなくなり、30分前に通用口から集合場所の2階エントランスへ向かいました。
通されたロビーには案の定、人の気配はありませんでした。
ぽつんと一人、エントランスに並べられた椅子のひとつに座っていたら、係りの人がやってきて受付。
受付と同時に番号札を渡され、1次審査についての説明とその後の予定が書かれたA4 1枚ものの用紙と、 同じくA4サイズの3,4枚綴りのアンケート用紙、県酒造組合の小さな泡盛図鑑パンフレット等を受け取ります。
私が渡された番号札は6番。面接は1時30分から、と言われ、まずは審査についての説明にざっと目を通しました。
1時30分から1次審査開始。審査は6階スタジオ。審査が終わったら意気込みをカメラの前で宣言し、 そのあとは記入済のアンケート用紙と番号札を返却して帰宅。2次審査に進める方へのみ夕方から21時ごろまでの間に 本人宛に電話連絡を入れる。2次審査は1月29日。2次審査まで進むことができるのは15人。2次審査前にオリエンテーション(1月26日)あり。
上記のことが書いてありました。

アンケートの内容は、長所、短所、自分の身体の中で好きなパーツ(チャームポイント)、座右の銘、 応募した動機、好きな音楽、泡盛の女王に選ばれた場合のメリット(アピールポイント)、好きな音楽、 似ていると言われる芸能人、動物にたとえたら自分はどんな動物か、 泡盛は好きか? どれくらい呑めるか?(量や頻度)、料理は得意か、泡盛に似合う料理は? 泡盛を使った料理を書いてください、等等の項目がずらりと並んでいました。

アンケートを埋めつつ、周りを見渡すと、次々とエントリー者がやってきます。
一種のオーディションですから、みな着飾ってくるのかな、と思いきや、みな普段着でした。スーツ姿の方もいらっしゃいましたが、 仕事着という感じの自然体だったので、着飾ってきた、という様子にはみえません。
身長の高い方、小柄な方、ストレートヘアー、ショートヘアー、色を染めている方、黒髪の方、控えめメイクやバッチリメイク。 可愛らしい雰囲気の方、きりりとした方、柔らかな雰囲気を持つ方、爽やかな方、優しげな方、穏やかそうな方、いろいろな方がいらっしゃいました。
(本音を言うと、モデルばりの、近づきがたいほどに綺麗な、これぞ美人!!という人たちばかりがエントリーしているものと思っていたのです。 いえ。誤解のないように言いますが、エントリーされた方々はみな美人です、綺麗な方たちでした。でもなんていうのかな。 近寄りがたい美人、じゃなくて、身近にいるチャーミングな女性たち、というのかな。 親しみを抱くことのできる雰囲気を持つ美人さん。そんな雰囲気の方たちでした。
その中で毛色が違うのが一匹混じってるよなぁと自分を省みて思ってたりしたのですが…… まぁ、ひとつの思い出作りだしね……とあまり自分のことは考えないようにしていました)

どの方も日常の姿をそのまま切り取ってきた、自然体で、素のままの、肩に力が入っていない雰囲気でした。
そんな周りの姿に緊張していた私の心も少しほぐれ、楽になっていました。
(ちなみに私のその日の格好は青緑っぽいジーンズ、オフホワイトのシャツ、ジーンズの色に合わせた色のカーディガンという服装でした)
受付に名前を告げるエントリー者の中には、遅い番号の方もいらして、その場合、受付の担当者がそれぞれのだいたいの面接時間を 伝え、それまでロビーで待つか、それとも適当に時間を潰してくるかのどちらかを選択させていました。
(実はその後、予定時間より後半の方の面接時間がそれぞれ30分ほど繰り上がったそうで、 その連絡が携帯電話にいきなり来たからびびった、と決勝に残ったメンバーが言っていました)
面接時間が近づき、面接場所への案内役の担当の方が最初の15人ほどのメンバーを呼びます。
ロビーから上に続く階段を神妙な顔で先の人に続き、エレベーターに乗り、6階へ向かいます。 エレベーターが開くと、スタジオまでの廊下の両壁面に今期のドラマや番組のポスターがずらりと張られていました。
お〜〜〜、これぞテレビ局♪と、緊張している心の別の部分でわくわくしたミーハー根性が疼きました。
だって時効警察とか、けもの道とか……かっこいいポスターがでっかくバン!ですよ!! ズラリですよ!! よだれもののでしたし、 思わず欲しい、と手を伸ばしそうでした。
そんな私の心とは関係なく、案内役の男の方はずんずんと先を歩き、みなもそれに続きます。
突き当りを右に曲がり、中に入ると、小道具やらいろいろなものが周りに置かれているちょっとしたスペースがありました。
(部屋に入ってすぐの右手にはメイク室が、左手には4畳半ほどの和室があり、少し進んだ左手にもちょっとした機材やパソコンが置かれた小さなスペースがあったのですが、 そのことに気づいたのは土曜のリハの日でした)
即席の待合室となったそのスペースには10数人分の椅子が2列に並べられていました。
そして何気に右をみると、視線の先に分厚い防音扉が。
それを見た瞬間、緊張感がいっきにピークまで跳ね上がりました。
扉の向こうが面接をするスタジオなんだと、認識する前に悟って……緊張は最高潮でした。
ここでも案内役の人とは別に係りの人がいて、番号順に端から座るように指示をされ、みな緊張の面持ちで静かに座りました。
周りを見渡すとやはり、どの顔にも不安と興奮のいりまじった様子がみてとれます。
みんな同じなんだなぁと漠然と感じながら、ふと3番だったか4番だったか……私より若い番号の方と目が合いました。
目が合った瞬間、なぜかふたりとも笑ってしまいました。きっと同じ気持ちだったのかなぁ。
ここまで来たら、やることはなくただ待つだけです。
1次選考は集団なのだろうか?(どれくらの人数が応募したのかこの時点ではわからないため、多いのか少ないのか見当がつきませんでした)
審査員は何人なんだろうか?
特技とかさせられるのだろうか……。
いろいろな疑問や不安が頭を占めます。
オーディションは集団面接でひとり何分という少ない時間で審査をすることが多く、 どれだけ審査員に強い印象を与えられるかが勝負の鍵だと前情報で友人から聞かされていたので、 てっきりそうなんだと思っていました。
が、予想に反して始まった審査は集団ではなく個人。番号を呼ばれるたびにひとり、またひとりと防音扉の奥に消えていきました。
流れよく次のエントリー者を奥に通せるよう、中の状況を伺うように係りの人がとても小さく防音扉を開けていました。
かすかに開けられた扉の向こうから、途切れ途切れで前の人の自己アピールの声が聴こえてきます。
何か演技のようなものをしている方もいらっしゃいました。
隣の方と「緊張するね」「指が震えて冷たくなってきた」というような会話を交わした気がします。
辺りをきょろきょろと見ていたら、5番の方が扉の向こうに消えて行き、私は扉の手前まで呼ばれました。
すぐ脇にはちょっとしたシンクのようなのがあって、その隣に全身が映る鏡があり、最後の身だしなみができるようになっていました。
身だしなみを整え、深呼吸をすると、中から自分の番号を呼ぶ声が聴こえました。
隣に立っていた係りの人が、防音扉を人一人分が入れる大きさに開けてくれます。スタジオに足を踏み入れた瞬間、 「赤いラインまで進んでください」と耳打ちされました。

スタジオは思っていたよりも狭い場所でした。学校の教室くらいはあったでしょうか。もしかするとそれより小さいかもしれません。
正面には5名ほどの審査員。それぞれの座っている席の机にそれぞれの名前が垂れ幕上に書かれてありました。
女性の審査員はおふたりだったでしょうか。そのうちのお一人、着付けの先生がこのあと、 オリエンテーションからリハーサル、本番まで 私たちの面倒を見てくださることになっていた久保田先生でした。
私は気づいていなかったのですが、審査員の後ろにはカメラが一台あったそうです。
入って左手には司会進行のアナウンサーらしき人がいらっしゃいました。
右手側にはもう一台のカメラが横顔を撮っていた様な気がします。
言われたラインまで進むと、司会の方から名前の紹介があり、続いて3分スピーチをするように促されました。
……3分???
そのときのパニックったらなかったですよ。(苦笑)泣きそうでした。
たぶん言われたその瞬間、ものすごい驚愕の表情&動揺が浮かんでいたと思います。
3分なんて聞いてないよ……1分だって言ったじゃんよ。
がんばって1分に収めたスピーチ内容をとにかくパニックの中で、必死になって思い起こしてしゃべりました。
目を泳がせちゃダメ。しっかり審査員の目をみること。目力目力。。。。。。
何度も友人から言い含められてきたことを実行しようと、全身全霊でやってました。
もう必死ですから、身振り手振りでアピールです。
スピーチの後はちょっとした質問タイム。
スピーチの中では応募動機を語ったので、ここでは趣味や特技、最終学歴、現在の職業(今までの職歴も含め)などを質問されました。
道具は持ってきていないけれど、ここでやらされるようなことがあったらどうしよう??と考えた末に選んだ特技はフットサルだったのですが、 実際にさせられることはなく、フットサルとはどういうものなのか、という質問をされるだけにとどまりました。
自信を持って答えられる部分はここだ!と特技に関してはここぞとばかり笑顔でアピール。
(早口言葉が得意だとアピールしたメンバーは早口言葉をお願いされたそうです)
けれどちょっとこのこと出したら絶対に突っ込まれるぞ、だから避けるに限ると考えていたことに関して もろ真正面から突っ込まれることになり……、言葉に詰まったりした場面もありました。
焦りましたが、詰まりながらもどうにか突破。違う質問では泣きそうになったりしましたが、どうにかこうにか終了。
質問の最後に確か一番右端の方から「貴女は今日、一番のりだったね」と言われました。
うあああ〜〜、もうその時点から見られてたのかとかなり驚きました。 (予想外のことに対応が遅れ、2度同じことを言われてようやく「そうです」と返答。動揺が現れてしまい、 失敗しました)
最後に、ありがとうございました、と面接の終了を告げられ、床に貼られているテープ通りの道順で外へ。 (友人に教えられた通りの背筋を伸ばしたまっすぐな歩き方で退出)
入ったところとは別の出入り口があり、そこから来たときと同じ廊下の両壁に貼られたポスターの役者さんたちの目に見守られながら、エレベーターへ。
そこでまた別のカメラがスタンバイしていて、カメラマン、リポーターのような方、照明さんに「お疲れ様」と出迎えられました。
固定されたカメラの前に立たされ、ライトを受け、バストショットでの最後のアピール。
マイクを持ったリポーターの方に泡盛の女王に対する意気込みと、趣味に関することを聞かれ、これもド緊張状態で答えました。
そしてOKの合図と「お疲れ様でした」の言葉にようやく安堵の息。
ありがとうございました&楽しかったですと確か感想を残してその場から立ち去りました。
終わった終わったと解放され、るんるん気分でエレベーターに乗り、最初に通された2階のエントランスへと戻りました。
アンケートは面接前に書き終えていたので、最後に左胸下につけていた番号札だけを受付に返し、お礼を言ってRBCを後にしました。
終わってほっと息をついた私の横を、緊張の面持ちでこれから審査に挑むエントリー者が通りすぎていきました。
外はぽつぽつと小雨が降り始めていました。見上げるとどんよりと灰色の雲が空を覆い隠していました。
終わってすぐに今回の協力者である友人と、母に一通りの報告の電話を入れました。
実は次に進めるとは思ってもいなかったので、いい思い出作りになったぞ〜〜と暢気な感想を胸に抱き、 サイトの更新内容を頭の中で思い描いていました。どうせ落ちるから 本選終了後にブログや沖縄の部屋の更新の際にこっそり「泡盛の女王」一次選考までの道のりとテレビでみた感想というようなことを UPしようと敗戦の弁までしっかり考えていました。お茶らけながら友人に話すつもりでいたのです。
なので、暢気なまま、フットサルの練習試合会場に行き、メンバーと合流し、暢気に(けれどちょっとは気にしながら) 反省会と称したお茶会に参加しました。
見知らぬ電話番号から電話がかかってきたのは21時も前だったでしょうか。
あ、やっぱりだめだったなぁ、また今回もRBCに蹴られたなぁ(実は就職活動中RBC受験した経験あり)と苦笑した時にかかってきたので、 タイミングの良さに驚きました。
電話越しの男性の声はとても柔らかで穏やかでした。
対応も丁寧で、まずは本日の1次選考(予選)に関する労いの言葉から始まり、2次選考へ進むメンバーに選ばれたこと、 また本選の前のオリエンテーションに関する情報などを教えていただきました。
最後によろしくお願いします、とも言っていただけて……。
まさか!の事態にすっかりびびった私。
これは大変なことになってしまったと怖くなり、その場にいたメンバーに実は斯く斯く云々で……とすっかり腰が抜けた状態のまま、 報告をしたのでした。



オリエンテーションへ続く/戻る