後日談


あのあと帰城した二人は、予想通り副官二人に呼ばれた。
「全くいい年をしてお忍びとは・・・・」
呆れたようにユーリの副官サランダーニが言う。その後も延々と続く説教に対し、同意見だと言わんばかりのアレクセイの副官デュークリフト。
それを神妙な顔をしつつ聞き流しているユーリと生来の真面目さ故に反省しているアレク。
四者四様の思いで共有した説教の時間が、ようやく終わろうとしていた。
「これからはこのようなことはしないでくださいね!
 あなた方を探すために執務に滞りが出る者もいるのですから・・・・。」
ようやく出た締めの言葉に、二人は頷く。それで解散のように思えた。しかし。
「分かった。今度からは二人にもちゃんと声をかけていっしょに出て行くようにするよ。」
「「なっ!?」」
「ユーリ??」
目を丸くする三人に、ユーリは鮮やかに微笑む。
「本当は一緒に行きたかったんだろう、サラン、デューク。」
自分の意見に絶対の自信を持っている、華のある微笑み。
「そんなことあるわけないでしょう!一体何を考えているんですか、貴方は!!」
「ユーリ、お前ってやつは・・・」
呆れたように再度怒りだす二人を見て、アレクセイは余計なことをというような目をしてユーリを見る。
だがそんな視線もなんのその。
横のアレクに小声で
「見てごらん、二人とも頬が紅潮している。図星の証拠だよね。」
そう言って、してやったりの笑みを浮かべる。

こいつは………

本当にいろんな笑みを浮かべる、とアレクは感心したとかしなかったとか



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water's foamの結子さんから123番記念に頂きましたSSSです。
前回いただきました小説の後日談。可愛らしくてお気に入りです。