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ダイエットに関する間違った認識(正しいダイエット法)

1999年5月、ニューヨークの消防署に救助を要請する電話があり、レスキュー隊が出動した。依頼者のマイケル・ヘブランコ(46)があまりにも太り過ぎて自力で動けなくなり、家の壁を壊して救助されたのだ。マイケルは、身長182cm体重500kg、ウエストは2m75cmもあり、6.5人分の肉を身につけていることになる。体重の増減は主に脂肪を蓄える脂肪細胞の数の変化によるもので、マイケルの検査では通常の2倍の500kgの脂肪細胞が見られた。彼は体重3825gで生まれて16歳の時は157kg、34歳で405kgあった。その後1年半で315kgのダイエットをして、90kgに減少するが43歳では450kgとなり、食事療法で270kgまで減少。しかし、ついに500kgとなって しまった。四国学院大学の篠原光徳教授は、「リバウンドを繰り返したことで、異常な肥満になった。」と説明している。リバウンドとは、ダイエット後に体重が増えて以前より体重が増加する現象。ダイエットを行った人に対するアンケートでは60%以上がリバウンドを経験したことがある。 これは人間が持つホメオスタシスという機能と関係がある。ホメオスタシスとは環境が変っても、体温維持や血糖値・血液の浸透圧の調整など生きていく 上で重要な機能を正常に保つ働きをする。またホメオスタシスには、食物から得られるエネルギーの吸収率を上昇させたり、体が消費するエネルギーを減少させる働きがある。ダイエットを行った人は栄養不足の状態になっているが、1ケ月以内に体重の5%以上減少すると、ホメオスタシスが最大限に働くのである。普段の食事量を100として、ダイエットにより90に減らしたとする。食事量が10少ないことでホメオスタシスが働き、栄養を無駄に排出 しないようになりエネルギー消費も節約する。そのため90の食事量でも100を摂っていることと同じ状態になる。体重100kgを5%の95kg に減少した時点でホメオスタシスによる停滞期に入り、これに痺れを切らして食事量を戻すとリバウンドの恐れがある。ダイエットを断念した時点でもホメオスタシスは働いているため、食事量を100に戻してもそれ以上の食事を摂っていることになるのだ。更に満腹感が変ってしまうこともリバウンドの原因になる。胃壁の伸びや血液中血糖値の上昇、脂肪細胞からのレプチン分泌は満腹中枢を刺激する。レプチンのセットポイントと脂肪吸収量が、ホメオスタシスによってずれるとリバウンドが起こる。減らした食事量を90とすると、脂肪細胞も90の脂肪しか蓄えられないが、限界量は100のまま。レプチンは吸収される脂肪量に対応しているので90へ減少する。レプチンが10足りない 分空腹を感じてホメオスタシスが働き、排出していた余分な栄養を吸収して体内の消費エネルギーを節約するのだ。リバウンドを繰り返す度にレプチンのセットポイントと脂肪吸収量のずれは大きくなり、脂肪細胞は元の100倍にも膨らむようになる。その後脂肪細胞は簡単に膨らむようになり、太りやすい体質になってしまうのである。

リバウンドが起こらないようにダイエットするには、目標を1ケ月で体重の5%以内に留めること。5%以内を減らして1ケ月以上経つと、 レプチンのセットポイントが減らした体重に合う。体重を減らした状態をさらに1ケ月維持できれば、以前より少ない食事でも満腹になる。 ダイエットとは単に体重を減らすことではなく、減らした体重を維持すること。本当にダイエットしたければ、一発で決めることが大切なのだ。


@最初の1ヶ月で目標体重(体重の5%以内100sなら95sまで)までダイエット。

A次の1ヶ月はその体重を維持する。(元に戻ろうとする体内環境のリセットのため)

Bさらに@とAを繰り返して、リバウンドせずに最終的な理想の体重を目指す。

※過激なダイエットによってホメオスタシスを最大限に働かせた状態でダイエ ットを断念することは太りやすい体質になり、さらにダイエットを難しくします。ホメオスタシスが働かない範囲で体重を減らし「体重が減らなくなった」といってせっかく始めたダイエットを途中で断念しないで下さい。「体重が減らなくなった」状態を維持することは次の体重減少への準備期間なのです。

 

ホメオスタシス【homeostasis】
生物体の体内諸器官が、外部環境(気温・湿度など)の変化や主体的条件の変化(姿勢・運動など)に応じて、統一的・合目的的に体内環境(体温・血流量・血液成分など)をある一定範囲に保っている状態、および機能。哺乳類では、自律神経と内分泌腺が主体となって行われる。恒常性。