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映画雑文えんぴつ
ベルリン・天使の詩
DER HIMMEL UBER BERLIN
監督■ヴィム・ヴェンダース
脚本■ヴィム・ヴェンダース/ペーター・ハントケ
出演■ブルーノ・ガンツ/ソルヴェーグ・ドマルタン/オットー・ザンダー/ピーター・フォーク
1987 西独=仏 128分
http://images.amazon.com/images/P/6301334310.01.LZZZZZZZ.gif(ジャケット)

タイトル通り、これは天使が綴ったポエム。まるで“詩”の朗読のようなモノローグが物語を導いていく。ドイツ語の抑揚が耳に心地よい・・・。

「ラン・ローラ・ラン」では、ローラが疾走したベルリンの街。本作でも、ベルリンの街だからこそ天使が似合うのかな?とも。(それが例えオジサン天使でもね。)
映画作家達に撮りたいと思わせる街・ベルリン。うん、一度訪れてみたいものです。

DVDをレンタルした私は、“2倍速!”で鑑賞しました。え?しませんか、こんなこと。ビデオだと何ですが、DVDだとブレもなく字幕も見えるし、本作品のような詩の朗読のテンポにはなかなか合うと思うのですが・・・。じっくり観たい場面は通常の再生で、・・・どうぞお試しに。

本編の後には、「安二郎、フランソワ、アンドレイに捧ぐ」という言葉が添えられています。天使はある意味で子供、彼らは皆、子供を主人公にした傑作があるということで、3人とも偉大な映画の天使というわけなのですね。
小津安二郎:「生まれてはみたけれど」
フランソワ・トリュフォー:「大人は判ってくれない」
アンドレイ・タルコフスキー:「僕の村は戦場だった」
それから、ピーター・フォークがコロンボ役者のピーター・フォーク自身の役で登場するのがとても楽しいです。そして、彼もまた、天使だったんですね。うふ。

ヴェンダース監督が、この作品を映画への愛情を持って作ったのだということがひしと伝わってきました。

:おまけ:
人間になったダミエルの友人天使・カミエルが主人公の続編「時の翼にのって」(1993)や、ハリウッドでリメイクされた「シティ・オブ・エンジェル」(1998)などがあります。

2001.2.18




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