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CINEMAネコBOARD

ホワイトボードに気楽にメモするように、覚え書き程度の書き込みです。
ネタが熟成すれば鑑賞レポートとして映画雑文えんぴつ へ。

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 スリーピー・ホロウ
1999 アメリカ 106分
SLEEPY HOLLOW
監督:ティム・バートン
脚本:アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー
製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラ/ラリー・フランコ
プロダクション・デザイナー:リック・ヘインリックス
出演:ジョニー・デップ/クリスティーナ・リッチ/ミランダ・リチャードソン/クリストファー・リー/リサ・マリー


http://japan.sleepyhollowmovie.com/index_night.html

ジョニー・デップは現代物よりも、こういうコスプレ的役どころが似合うよなー、と思いました。

逆にクリスティーナ・リッチは、彼女のかもし出す雰囲気はこの作品にピッタリなのですが、個人的な好みとして「バッファロー'66」の時の“ムチムチの足”が見たかったなぁ、と。

オープニングのまるで血のように見える封蝋、無気味に佇むカボチャ大王、そしてグッドデザイン賞の“死人の木”の登場までは、バートンやスタッフのこだわりの細工にワクワクし心地よかったのですが…。

これまた個人的な好みですが、「首なし騎士は意味のない殺しはしないはずだ。」と主人公に言わせながら、意味もなく子供が殺される。
冷血非道な殺人鬼のイメージを伝えるためでしょうが、この辺りから何だかしらけてしまいました。

子供だからダメという文部省的な立場ではなく、本当に必要なシーンなのか?という単純な理由です。

子供を襲えば残酷感が増す…。
ストーリー上の必要性というよりも、そのためだけに挿入されたような場面がある作品を以前にも幾つか観ていたので、「バートン、お前もか。」と思ってしまいました。

それにしても、首なし騎士のスタントを演じたレイ・パークの剣さばきは見事でした。ここが一番見応えがありましたね〜。
(さすがダース・ベイダー。)


 華麗なる賭け
1968 アメリカ 105分
THE THOMAS CROWN AFFAIR
監督・製作:ノーマン・ジュイソン
脚本:アラン・R・トラストマン
出演:スティーヴ・マックィーン/フェイ・ダナウェイ/ポール・バーク


「トーマス・クラウン・アフェアー」を観てからというもの、そのオリジナルである本作品を観たくて観たくてたまりませんでした。

何といっても“分割画面”が印象に残る作品です。

ピアース・ブロスナン演じるトーマスは絵画泥棒でしたが、マックィーンのトーマスは自ら手を下すのではなく複数の男たちを分刻みで操り、銀行を襲って現金を奪っていきます。

複数の人間がそれぞれの役割通りに行動する様子が分割画面を使って効果的に、かつ興味深く描かれるというわけです。

フェイ・ダナウェイはまるでスーパーモデルのよう。
ファッショナブルでエレガント…。

ラストは切ないエンディングでした。

リメイク版と比べるのは野暮というものですが、こちらの方がはるかに大人の味つけを感じさせます。
なんてったって“華麗”でなくちゃ。

結論:脱ぐ必要なし。>レネ・ルッソ

主題歌「風のささやき」がアカデミー賞歌曲賞を受賞。


 クルーエル・インテンションズ
1999 アメリカ
CRUEL INTENTIONS
監督・脚本:ロジャー・カンブル
原作:ジョデルロ・ド・ラクロ
製作:ニール・H・モリッツ
出演:サラ・ミシェル・ゲラー/ライアン・フィリップ/リース・ウィザースプーン


http://www.spe.co.jp/movie/cruelintentions/

ラクロの「危険な関係」の4度目の映画化。
原作では中世貴族の世界を、現代のティーンエイジに置き換えた作品です。

あーん、騙された!これは幼すぎ〜!!
3人の若手(役柄抜きで)はそれぞれ魅力的だけど、“官能”・“頽廃”とはほど遠かったか…。
それも当たり前なのかしら?
あまりに若くハツラツとした彼らを相手に、ベッドシーンやヌード(?)の撮り方そのものが相当気を遣っているようでした。

リース・ウィザースプーンは相変わらずデコピンしたくなるおでこちゃん。
私好みのサラ・ミシェル・ゲラーは相当背伸びして悪女を演じてるけど、彼女だと小悪魔にも見えないの、可愛すぎて〜。(=すれてない)

“頽廃”の重苦しさも気怠さも感じられない仕上がりと、抜群の人気を持つ俳優が演じる主人公達へ共感する若い人も多いでしょう。
しかし、“性”に対する何らかのメッセージも感じられず、ただ気持ちの良い“自由奔放さ”というだけではかえって不満が残りました。

ライアンとウィザースプーンが私生活でもカップルだということを知ってしまうと、ちょっと冷めた見方をしてしまいますが、3人のプロモーションとしてはかなり成功しているのかもしれません。

私は何を期待してこれを観に行ったんだろうか…?


 暗黒の恐怖
1950 アメリカ モノクロ
PANIC IN THE STREETS
監督:エリア・カザン
製作:ソル・C・シーゲル
原作:エドナ・アンハルト/エドワード・アンハルト
脚本:リチャード・マーフィ/ダニエル・フックス
出演:リチャード・ウィドマーク/ポール・ダグラス/バーバラ・ベル・ゲデス/ジャック・パランス


肺ペストをめぐる空気感染の伝染病パニック!

TVのリモコンをカチャカチャしていて、時に思いもよらない作品に出会えたりするのがケーブルTVの楽しみの一つですが、この作品もまさに偶然遭遇し思わず観入ってしまいました。
いい拾いモノしたな、とは思いましたが、調べてみてビックリ!
第23回(1950年)アカデミー賞原案賞(原作)を受賞。
な、なんとエリア・カザンが監督だったのねぇぇ。

そして、抜群の存在感を見せていた気になる2人の男…。
主役の男性は、「死の接吻」の殺し屋役リチャード・ウィドマーク、そして、肺ペストに感染しているのも知らずに執拗に逃げ回る悪役に「シェーン」の黒づくめのガンマン役ジャック・パランスだと〜!
とくにパランスがよかったなぁ、彼はこれが映画デビュー作になります。

主人公の奥さん役に「めまい」「五つの銅貨」のバーバラ・ベル・ゲデスですから豪華キャストです。
タイトルに“暗黒”と付いて、姿の見えない伝染病の恐怖を淡々と描いているにも関わらず、全体のトーンは暗くないんです。思うに、バーバラの無邪気な雰囲気が作品中に漂う暗さを払拭しているのでは?
彼女出演の「ママの想い出」は是非観てみたい作品です。


 ストーリー・オブ・ラブ
1999 アメリカ
THE STORY OF US
監督:ロブ・ライナー
製作・脚本:アラン・ズウェイベル/ジェシー・ネルソン
音楽:エリック・クラプトン/マーク・シェイマン
出演:ブルース・ウィリス/ミシェル・ファイファー


http://www.warnerbros.co.jp/movie/story/

こういう恋愛・ロマンスものにはあまり積極的ではない上に、苦手ランク上位に君臨するブルース・ウィリス主演にも関わらず、ミシェル・ファイファー会いたさに出かけました。

前売り券じゃなく、レディースデーでよかったかなぁ…。

テーマは“結婚”ですが、映画のなかのメッセージはありきたりのもので、私の知りたかったこと、聞きたかったメッセージは聞けませんでした。
最後の決めては“素直になること”…。
そんなこと分かってるってー!

私達夫婦は結婚7年目に入りました。
映画では“15年”という設定で、そうなのかなぁ…?、としか…。

“一緒にいられれば結婚という形を取らなくてもいいんじゃない?”というカップルや、“ただの紙切れ一枚のこと”と考えれば、そんなに悩まずにすむかもしれないのに…。
でも、そうなじゃない!

“結婚”って普遍的なテーマだけど、だからこそ優等生の答えでなく、偏ってもいいくらいの大胆なメッセージが欲しかったなぁ、と思いました。

だって、見る人が男性か女性か、またそれぞれの立場・環境で感想・捉え方は様々ですよね。
自分自身の“結婚観”を改めて問い直してみるのにはいいかもしれませんね。

私は、“亭主元気で一緒に遊ぼう!”タイプで〜す。

ブルース・ウィリス本人が一番自覚しているようですが、今回の役はかなりハマってたような…。実生活が反映されてるのか、な?

 スウィッチバック
1997 アメリカ 118分
SWITCHBACK
監督・脚本:ジェブ・スチュアート
製作:ゲイル・アン・ハード
出演:デニス・クエイド/ダニー・グローヴァー/ジャレッド・レト


サスペンス。
監督は「ダイ・ハード」の脚本家ジェブ・スチュアート。

「リーサル・ウェポン」シリーズのダニー・グローヴァーと、その彼の相手役を務めるジャレッド・レトのあんな事こんな事がストーリー全体を引き締めています。

レトは「ファイト・クラブ」にも出演しているというのでパンフレットをチェックしてみると、ふむ、エドワード・ノートンとファイトする“エンジェル・フェイス”という役ですね。この作品での彼はかなり印象的です。

ちょっと悪っぽいレトの雰囲気と、良き夫・良きパパのイメージを持つグローヴァーを絡めているところがキャスティングの妙ですねぇ。で、残念なのが、デニス・クエイドはやっぱりデニス・クエイドだったということ。

もっともミステリなのは犯人のこの台詞。
「子どもの居場所が知りたければ俺を殺せ」
犯人しか知り得ないことなのにどうして殺せる?その真意は?

自分の命さえゲームの手札に加えるところは「セブン」っぽい。そのトリックが、な〜るほどなのね。面白いアイデア。

ただ、犯人がなぜこんなゲームを始めてしまったのか、犯人像が今ひとつしっくりこなかったです。
それに、クエイドはあんなに孤立せず、もちょっと何とかなれば最高に面白いサスペンスになると思うんだけどなぁ…。


 ノイズ
1999 アメリカ 109分
THE ASTRONAUT'S WIFE
監督・脚本:ランド・ラヴィッチ
製作:アンドリュー・ラザー
出演:ジョニー・デップ/シャーリーズ・セロン/ニック・カサヴェテス


http://www.gaga.co.jp/movie/noise1.html

シャーリズ・セロンは「ディアボロス」に続いて“怯える妻”の役でした。
似合うんだなー、これが。
それに、またもや劇中に“髪型”を変えることで、「私、性格変わったのよー」とアピール。
うーん、分かり易いけど古い手だ…。

全体的に少しずつ少しずつ煩雑な感じがしました。
邦題にあるように、“ノイズ”についての描写が説明不足で物足りなく、もっと面白くなりそうなアイディアなのに残念です。
ラストはオーメン的エンディングでした。
これも、「まーたですかぁ」という印象です。
まさか続編はないだろうと思うけど…。

ジョニー・デップは一人二役のような役どころで、完全な脇役ですね。
優しくお茶目な彼と、ちょっと危険な香りのする彼。
皆さんはどちらの彼がお好みでしょうか?


 アンナと王様
1999 アメリカ 147分
ANNA AND THA KING
監督:アンディ・テナント
脚本:スティーブ・ミアーソン/ピーター・クライクス
製作:ローレンス・ベンダー/エド・エルバート
出演:ジョディ・フォスター/チョウ・ユンファ


http://www.foxjapan.com/anna/

異文化同士が互いに理解し尊重し合うことはとても大切なことだし、この作品が単なるメロドラマだったらジョディ・フォスターは出演しなかっただろうという気もします。

しかし、アンナの教育を受けた皇太子が将来“奴隷を解放し、司法制度の改革を行った”というエンディングから、“こうしてシャム王国は後進的な制度を改め、現在のタイが存在するのだ”というニュアンスがどうしても拭えませんでした。

これはあくまでもイギリス側=大国側の見方でしかないという気がしてなりません。

また、アンナが息子に言う、“植民地は領土と一緒だから…(インドはイギリス、ということ)”という台詞や、皇太子の奴隷制度に対する質問に、“この本を読みなさい”と『アンクルトムの小屋』(ストウ夫人著、黒人奴隷制度廃止へ大きな影響を与えた本。)を手渡す場面等は、彼女自身インド人夫婦の使用人を伴っている環境から違和感さえ感じてしまいました。

文化を尊重するということは、その国の“自決権”を尊重することにつながると思います。
それは、“支配する・される”という関係とは無縁ものです。

タイではロケの拒否と上映が禁止されたそうですが、何となくその気持ちが分かるなぁ…。

ジョディ・フォスターはこれからどんな役を演じていくのでしょうか。
そろそろ、彼女から感じられるその“安心感”を裏切ってほしいですね。
理性の殻を捨て、情念に翻弄される破滅的なラブ・ストーリーをサスペンスタッチで…。
(なーんて無理かなー)


 仮面の男
1998 アメリカ
THE MAN IN THE IRON MASK
監督:ランドール・ウォレス
製作:ランドール・ウォレス/ラッセル・スミス
原作:アレクサンドル・デュマ
脚本:ランドール・ウォレス
出演:ジェレミー・アイアンズ/ジョン・マルコヴィッチ/ジェラール・ドパルデュー/ガブリエル・バーン/レオナルド・ディカプリオ


“2人のディカプリオを目撃する”というコピーですが、いやいやこれは中年の四銃士が主役です。

ダルタニアンには特別な役柄を与えていたので、私としては彼を除く三銃士がとにかくカッコよくて、中年の魅力プンプンでいいですね〜。

デュマの原作の中ではアラミスが好きですが、その役をジェレミー・アイアンズ(ちょっとアブナイ…)、アトス役をジョン・マルコヴィッチ(うん、うん)、ポルトス役をジェラール・ドパルデュー(お尻がぁぁ)。
豪華です!
これにガブリエル・バーンが加わって4人並ぶと迫力ですね。レオ君の出る幕ナシって感じです。

ひゃ〜、4人並ぶと壮観、壮観。
この4人衆を鑑賞できただけで満足!


 恐怖省
1944 アメリカ モノクロ
MINISTRY OF FEAR
監督:フリッツ・ラング
製作・脚本:シートン・I・ミラー
原作:グレアム・グリーン
出演:レイ・ミランド/マージョリー・レイノルズ


舞台はイギリス。
この時代(1944年)のヨーロッパといえば、第二次世界大戦ですよね。
ということで、ナチス・スパイが絡んだサスペンス・ミステリー!
冒頭から主人公をめぐる奇妙な出来事が次から次へとテンポよく展開していきます。
86分という時間も一気に楽しめる長さでした。

原題は「MINISTRY OF FEAR」、“恐怖省”とはストーリーの中に出てくる“国家安全省”に対する比喩的表現です。
予備知識は一切なく、TVのリモコンをカチャカチャしていて偶然出会った作品で、かなり拾いモノでした。


 グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち
1997 アメリカ
GOOD WILL HUNTING
監督:ガス・ヴァン・サント
製作:ローレンス・ベンダー
脚本:ベン・アフレック/マット・デイモン
出演:マット・デイモン/ロビン・ウィリアムズ/ベン・アフレック/ステラン・スカルスガルド/ミニー・ドライヴァー


1997年のゴールデングローブ賞・アカデミー賞で脚本賞を受賞。

ロビン・ウィリアムスが苦手なので、しばらく敬遠していましたが、とうとうご対面。

マット・デイモンは自ら書いた脚本で、上手に自分をプロモーションしていますね。この作品の後に「レインメーカー」「ラウンダーズ」と、頭のイイ(知性派)役が続きますから。

個人的にはミニー・ドライヴァーの役どころに好感を持ちました。

主人公から彼の悪友達を紹介された時、学のある彼女に気を遣っている様子を察して、自分から下ネタの話しをはじめる彼女…。「ハーバードっぽくないね」と言われて、「うん、私くらいだと思うよ」とあっけらかんと答える彼女がとても好きです。

宿題のレポートを「自分で書きたいの」と、主人公の青年と対立したりするけれど、彼と彼の才能を一番理解していたのは彼女だろうし、結果として彼の心を救ったのは彼女だったんじゃないだろうかと思いました。
主人公と似たような境遇として登場するカウンセラーではなくて…。

その役柄がミニー・ドライヴァーにピッタリだったと思います。
美人じゃない、と言われて男性にはあまり人気がないようですが、私はミニーに対して賢い女性というイメージがあり、誠実さを感じる女優なので好きなタイプなんだけどなぁ。




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