ファントム |
1998 アメリカ 95分 |
PHANTOMS
監督:ジョー・チャペル
製作:ジョエル・ソワソン/マイケル・リーヒイ/ロバート・プリングル/スティーヴ・レイン
原作・脚本・製作総指揮:ディーン・R・クーンツ
撮影:リチャード・クラボー
音楽:デヴィッド・ウィリアムズ
出演:ローズ・マッゴーワン/ジョアンナ・ゴーイング/ベン・アフレック
http://www.fujicreative.com/phantoms/phantoms.html
スティーヴン・キングと並ぶモダン・ホラーのベストセラー作家クーンツが原作・脚本・製作総指揮を手掛けているということで興味を持った。
400人の住民がある日突然一斉に消えてしまった。
“集団失踪”!?…。どこへ?なぜ??
ね、観たくなるでしょ?
「住民が一人残らず消える」というミステリーや得体の知れない存在への恐怖心が描かれる前半はテンポもよくグッと惹きつけられたが、相手の正体をつきとめ、それと戦う後半部分になると途端に緊張感が切れてしまった。
生きるか死ぬかの切羽詰まった対決のはずなのに、「主人公は死なない」的安堵感が登場人物そのものから感じられ、不安や肝心の恐怖心が消えてクライマックスさえドキドキしなかった。
期待した“展開の裏切り”が無かったということか?
が、住民の失踪の原因となるその“正体”へのアプローチは興味深かった。このあたりをもっとこねくり回してくれると面白かったのに。
本の方はクーンツの最高傑作といわれ、原作者本人がここまで映画化に関わっているのだけれど、限られた時間の中の映像に全てを凝縮するのはやはり難しいのですね。
ベン・アフレックは締まった顔で出演しますよ。
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誘う女 |
1995 アメリカ 106分 |
TO DIE FOR
監督:ガス・ヴァン・サント
製作:ローラ・ジスキン
製作総指揮:ジョナサン・タプリン/ジョセフ・M・カラッシオロ
原作:ジョイス・メイナード
脚本:バック・ヘンリー
出演:ニコール・キッドマン/マット・ディロン/ホアキン・フェニックス
http://images.amazon.com/images/P/
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キッドマンは、演技なのか地なのか分からないくらい役に成りきっていました。乗り移っていたと言うべきか…。
まさに迫力!(↑)
この作品で彼女は「トム・クルーズの妻」の呼び名を返上したんだものね。
会心の作じゃないかな。
「誘う女」はとても上手に“女”を描いているので、女性の目で見ると多かれ少なかれのめり込んじゃう部分があるかもしれません。
女性の場合は“虚栄心”とか“自己顕示欲”・“承認欲”、つまり「私を見て!」という気持ちが男性より強いんだと思う。
男性は“権力”を欲しがるけど、それよりも女性は、自分を認めてもらうことが先なのよね。
まだまだ世の中は男性社会ってことかー?
本作品でキッドマンはゴールデングローブ賞女優賞(コメディ/ミュージカル部門)を受賞。
同賞のドラマ部門は「カジノ」のシャロン・ストーンの手に。
さてオスカーは?と話題になりましたが、「デッドマン・ウォーキング」のスーザン・サランドンがかっさらっていきました、とさ。
この3人の演技対決、女の怨念(執念とも)っぽいところがちょびっとコワイ…。
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ブルー・イン・ザ・フェイス |
1995 アメリカ 85分 |
BLUE IN THE FACE
監督・脚本:ポール・オースター/ウェイン・ワン
製作:グレッグ・ジョンソン/ピーター・ニューマン/ダイアナ・フィリップス
製作総指揮:ハーヴェイ・カイテル/ボブ・ウェインスタイン/ハーヴェイ・ウェインスタイン
出演:ハーヴェイ・カイテル/ミラ・ソルヴィノ/ジャレッド・ハリス/ジャンカルロ・エスポジート/ロザンヌ/ジム・ジャームッシュ/マイケル・J・フォックス/マドンナ/リリー・トムリン/ルー・リード/キース・デヴィッド
この作品の製作前に「スモーク」という、やはりポール・オースター(作家)とウェイン・ワン(監督)が組んだ作品があります。
その続編にあたるらしいのですが…。
でもって出演者は豪華です。
ブルックリンのある煙草屋を舞台に繰り広げられるありふれた日常描写。
各シーンごとのカメラはほとんど固定されており、役者は与えられた時間(10分間だとか)を演技する。
長回しに長台詞、そして即興。
それで役者は顔が青くなる(ブルー・イン・ザ・フェイス)、というわけなのね。
これが面白いのよ〜。
いきなり唄い、いきなり踊り、いきなり喧嘩して、いきなり仲直り…。
マドンナの“唄う電報屋”は笑った〜。
アメリカじゃあ、突然どっかの配達屋が職場までやって来て「Happy
Birthday♪」を唄い出すらしいから、こういう電報屋さんも本物かも?
クレジットが流れる時、ワンフレーズだけど、沖縄の童歌「じんじん」が(それも方言で)唄われていたのにはビックリしちゃいました。
「スモーク」のおまけのような作品らしいですが、これも、ちょいと元気になれる作品です。
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レインメーカー |
1997 アメリカ 135分 |
THE RAINMAKER
監督・脚本:フランシス・F・コッポラ
製作:マイケル・ダグラス/スティーヴン・ルーサー/フレッド・フックス
原作:ジョン・グリシャム
出演:マット・デイモン/クレア・デインズ/ジョン・ヴォイト/ダニー・グローヴァー/ダニー・デヴィート/メアリー・ケイ・プレイス/ミッキー・ローク/ロイ・シャイダー/ヴァージニア・マドセン
http://www.therainmaker.com/
ふ〜、豪華なスタッフ&キャストです。
クレア・デインズの評判が良いようなので、敢えてふれないでおきましょう。
法廷もの(グリシャムものを含めて)は数々あれど、軽すぎず重すぎず、アメリカの正義を振りかざすでなく、詭弁を駆使したゲーム的司法取り引きがメインでもなく、ただひたむきな若い弁護士が描かれるところにとても共感を覚えました。
しかし、正論だけがまかり通る世の中ではない、というアンチテーゼもある。
理想だけじゃダメなのよ、と分かっていても理想を見失っちゃーお終いじゃない?
…と、感想というより、このサイト↑をご紹介したくて…。
凝りすぎてやたら重いページやスターのプロモーションのためのページは苦手ですが、こういうオフィシャルサイトって好きです。
パンフレット要らずでしょ?
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レジェンド・オブ・フォール |
1994 アメリカ 132分 |
LEGENDS OF FALL
監督:エドワード・ズウィック
製作:エドワード・ズウィック/ビル・ウィットリフ/マーシャル・ハースコヴィッツ
原作:ジム・ハリソン
脚本:スーザン・シリディ/ビル・ウィットリフ
撮影:ジョン・トール
出演:ブラッド・ピット/アンソニー・ホプキンス/エイダン・クイン/ジュリア・オーモンド
3人の息子達と牧場を営む父親は、インディアンを虐殺した過去を背負いながら“理不尽”ということに執拗にこだわって生きている。
やがて戦争が勃発し、息子達は父親の想いとは裏腹に志願兵として戦場へ…。
雄大な自然を舞台に繰り広げられる家族愛と、愛するがゆえの心の葛藤を描いた大河ドラマです。
「リバーランズ・スルー・イット」から2年。
本作では釣り竿を手綱に持ち替えて軽快に荒馬を乗りこなすという、だんご3兄弟のもっとも次男らしい次男(自由奔放という意味で)を演じるブラピです。
この作品でブラピのファンになった人多いかもしれない。
が、これはブラピではなく、彼が演じた次男“トリスタン”の魅力だということを忘れないでー。
頼もしい腕、いたずらっぽい瞳、愛情深い心…。
さあ、これであなたはイチコロ!
でもね、こういう男に惚れちゃいけない、って思う私はしっかりオバサンだわね。
スタッフについて少し。
「リバーランズ・スルー・イット」ではモンタナの美しい渓谷を描写したフィリップ・ルースロがアカデミー賞撮影賞を受賞していますが、ジョン・トールは本作品で同賞を受賞。
彼はメル・ギブソン監督・主演の「ブレイブハート」でもアカデミー賞を受賞し、テレンス・マリック監督の「シン・レッド・ライン」ではノミネートと、あらまっ、オスカーの常連さんだったのね。
ふむ、どうやら大河ドラマがお得意のようです。
(それともオスカー狙うならこの路線?)
「ウィンズ」「ジャック」「レインメーカー」など、フランシス・F・コッポラとの仕事も多く、大物好きなのか、彼が大物なのか…?
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マーニー |
1964 アメリカ 129分 |
MARNIE
監督・製作:アルフレッド・ヒッチコック
原作:ウィンストン・グレアム
脚本:ジェイ・プレッソン・アレン
出演:ショーン・コネリー/ティッピー・ヘドレン
オープニングの“遠近法”の映像からして「おっ、ヒッチコック!」と感嘆詞が付くような、とってもヒッチコックらしーい作品なんだけど、地味といえば地味〜な気もします。
若き日のショーン・コネリー主演のラブ・サスペンス。
幼少期のトラウマが原因で犯罪を重ねるヒロインの心の支えになっていくのが彼の役どころです。
この頃のショーン・コネリーは(ボンド・シリーズはまあいいとして)ギラギラし過ぎて、ちょっと引いてしまいます。
この作品では欲求不満の固まりみたいだったなー。
が、ティッピ・ヘドレンは光ってました。
いいですよね、彼女。
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