ふるえて眠れ |
1965 アメリカ 135分 |
HUSH...HUSH, SWEET CHARLOTTE
監督・製作:ロバート・アルドリッチ
原作:ヘンリー・ファレル
脚本:ヘンリー・ファレル/ルーカス・ヘラー
出演:ベティ・デイヴィス/オリヴィア・デ・ハヴィランド/ジョセフ・コットン
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すごい映画を観ちゃいました!
同じくアルドリッチ監督の「何がジェーンに起こったか?」の姉妹編とも言える作品で、恐いんですよ〜、これ。
エイリアンよりもお化け・幽霊よりも恐竜よりも、生身の人間の方がずーっと恐いというお話。
その人間は、ハンニバルとかいう特殊な嗜好・性格を持つ人を指すのでなく、「私かもしれない、あなたかもしれない」という怖さでしょうか。
原題の「HUSH...HUSH, SWEET CHARLOTTE」(よ〜し、よし、シャーロットちゃ〜ん、ってな意味?)や劇中に流れる意味深な子守歌も恐い・・・。
それに、何がすごいかっていうと、57歳で主演を務めるベティ・デイヴィス!!
(シャーロットを演じるのが彼女。)
サスペンス仕立てなので多くは語れませんが、クライマックスの謎解きが行われる場面でのデイヴィスの形相がこれまた恐い・・・。
モノクロ作品なのに暗闇の中でベティ・デイヴィスの瞳(1981年の大ヒット曲、キム・カーンズの『Bette
Davis Eyes』を知っているのは30歳以上かしらん?)が赤く!光って見えたりして・・・。
歳とったデイヴィスって好きだなぁ、私。
「イヴの総て」など、一種のキャリアとして1,2本こういう憎まれ役・醜い女を演じるならまだしも、デイヴィスは自らの老いをさらけ出しながら、人間の普遍的な姿を描き出そうとしているように感じられます。
若い頃は威圧的にさえ感じられたあの大きな瞳は老いてもなお輝いていて、人生の修羅場をカッと見据えるにふさわしい奥深さを漂わせて・・・。
最後となった作品「八月の鯨」でその印象的な瞳を閉じ、盲目の役を演じた彼女。
不遇の時代もあったようですが、本当に彼女は生涯演じ続けることにすべてを捧げた女優という思いがします。
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キャリー |
1976 アメリカ 98分 |
CARRIE
監督:ブライアン・デ・パルマ
原作:スティーヴン・キング
脚本:ローレンス・D・コーエン
出演:シシー・スペイセク/パイパー・ローリー/ウィリアム・カット/ジョン・トラヴォルタ/エイミー・アーヴィング/ナンシー・アレン
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「「キャリー2」は面白いよ」というアドバイスをもらい、懐かしさとともに無性に観たくなってビデオで再見。
70年代のホラーといえば、「エクソシスト」(1973)の“戦慄な音楽”、「サスペリア」(1977)の“蛆虫”、そして「キャリー」の“血”の衝撃は忘れ難く、それを超えるものに未だ出会っていません。
また、いずれもヒロインが同じ(!)“10代の少女”ということで感情移入しやすく、格別な親近感があったのだと思います。
シシー・スペイセク演じるダサダサのキャリーが、髪をカールし、マスカラつけて、手作りの淡いピンク色のスリップドレスを着て、いそいそとパーティへ出かける身支度をする場面は思わず胸がキュンとしました。
あー、女の子なのよねぇ・・・。
彼女、スタイルがいいから、あーいうドレスがよく似合う。
それに、今回再見して最大の発見は、その髪の美しさ!
ファラ・フォーセットは敵じゃない・・・。(ふ、ふるいー)
初めての自己主張にも等しく、大好きな人のために着飾ることで母親から自立しようとする。
つかの間の希望を感じるほどでした。
デ・パルマ作品のなかでは監督の自己満足的ないやらしさがなく、一番好きな作品です。
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救命艇 |
1944 米=英 96分 |
LIFEBOAT
監督:アルフレッド・ヒッチコック
原作:ジョン・スタインベック
脚本:ジョー・スワーリング
出演:タルーラ・バンクヘッド/ウィリアム・ベンディックス/ウォルター・スレザック
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第二次世界大戦中、ドイツ軍潜水艦に撃沈された船の生存者達が一隻の救命ボートにたどり着く。
救命ボートという密室の中で次々起こる事件と人間模様。
さあ、あなたならどうする?ってな感じです。
ボートの中からカメラが出ないというヒッチコックの実験的作品と言われています。
数あるヒッチ作品のなかで、私としてはかなりイケてると思うのですが…。
あのカナダ映画の「CUBE」はこの「救命艇」にも影響を受けているそうで、「誰が足手まといで、誰が必要な人間か」という究極の選択や、人間のエゴを丸出しにさせる辺りがそうなのかなぁ、と思いました。
本作は周りが海なので、密室といってもそれほど閉塞感はなく(夜は別だけど)、時には清々しい雰囲気さえ感じられます。
ヒッチらしい皮肉っぽいユーモアも散りばめられているしね。
リメイク版があるようですが、単純に「密室」だけにこだわるとヒッチのねらった味はでないのでしょう。
お約束のヒッチのチョイ出のしかたはひねり技一本!
必見ですよ。大いに笑えます。
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シャンハイ・ヌーン |
2000 アメリカ 110分 |
SHANGHAI NOON
監督:トム・デイ
脚本:マイルズ・ミラー/アルフレッド・ガウ
出演:ジャッキー・チェン/オーウェン・ウィルソン/ルーシー・リュー
最悪、サイテー映画。
「今どきこんなのあり?」と思わせる、東洋人とアメリカ大陸先住民のステレオタイプな描き方。前半のネタは彼らをさんざん笑いものにするというもの。
気分いい?いいはずないよね。
この映画を観てケラケラ笑っているアメリカ人に民主主義とかアメリカの正義だとか語ってほしくない。
ここまで成り下がったジャッキーにさよならだ。
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インサイダー |
1999 アメリカ 158分 |
THE INSIDER
監督:マイケル・マン
製作:マイケル・マン/ピーター・ジャン・ブルージ
脚本:エリック・ロス/マイケル・マン
出演:アル・パチーノ/ラッセル・クロウ/クリストファー・プラマー/ダイアン・ヴェノーラ
http://www.eigafan.com/insider/index.html
クロウの老けぶりに一番驚きました。
それに、ダイアン・ヴェラーノやクリストファー・プラマー(トラップ大佐〜)の出演が嬉しかったです。
そして、真実は負けるはずがない!(注:ハリケーンより)という希望と勇気を感じました。
私の夫は“化学”を専門としていて、クロウが「化学は魔法とアドベンチャーだ!」と、理論先行ではなく実験を主体に学生を指導する姿は何となく似てるなぁ、と思ってしまいました。
彼も一時期は技術者として大企業に勤めていて、そこを辞めるときに、やはりクロウと似たように釘をさされたとか。
夫の方がいろんな意味で感じることが沢山あった作品だろうと思います。
それと、有機溶媒が関係しているのか、「化学に携わっている男性からは女の子が産まれやすい」というジンクスがあるんですって。
うちも女の子。映画でも姉妹でしたよねぇ。
ホントかしら?
苦悩や苦境を乗り越えて自らの信念を貫いたパチーノとクロウは最高にかっこよかったです!
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レインディア・ゲーム |
2000 アメリカ 104分 |
RAINDEER GAMES
監督:ジョン・フランケンハイマー
製作:マーティ・カッツ/ボブ・ウェインスタイン/クリス・ムーア
脚本:アーレン・クルーガー
音楽:アラン・シルヴェストリ
出演:ベン・アフレック/ゲイリー・シニーズ/シャーリーズ・セロン
私にとって、いやこの作品にとっても不幸だったのは、この日は2本ハシゴして、よりによって「グラディエーター」の後に本作品を観てしまったこと。どうしてもコメディに見えてしょうがなかった。
いえ、確かに軽いノリなんですが…。
ベン・アフレックのおマヌケぶりを真にうけるゲイリー・シニーズとの絡みがなぜが笑える。
ご、ごめんなさい…。
別々の日に観ていたらきっと違う印象だったかもしれません。
(ちょっと酷な組み合わせでした。)
5人の男がサンタクロースの格好をしてカジノを襲撃!というアイディアは面白い。プレゼントの代わりにマシンガンをぶっ放すなんて結構“絵”になる。
ところが、惜しげもなくトップレスまで披露して、魔性の女よろしく男達を手玉にとるシャーリーズ・セロンに、…ムム??
従順であるがゆえに騙されちゃう、というのが彼女の持ち味じゃないのかなぁ?
悪(ワル)の役はあまり似合わない。
見せ場になるどんでん返しも、彼女のベタな演技でコントのようだった。そんなに無理してワルぶらなくていいのに。
ちょっととぼけたベン・アフレックの魅力が十分楽しめます。
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いますぐ抱きしめたい |
1998 香港 96分 |
AS TEARS GO BY
監督・脚本:ウォン・カーウァイ
出演:アンディ・ラウ/マギー・チャン/ジャッキー・チュン
http://www.prenomh.com/hug/hug.html
観たい観たいと思っていたウォン・カーウァイの初監督作でしたが…。
甘く切ない恋と義兄弟愛、そしておきまりの自己破滅…。
ハリウッド、香港、日本も、こういうチンピラ映画はもう止めましょう。
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