映画roomTOPページ

CINEMAネコBOARD

ホワイトボードに気楽にメモするように、覚え書き程度の書き込みです。
ネタが熟成すれば鑑賞レポートとして映画雑文えんぴつ へ。

front next


アート・オブ・ウォー
2000 アメリカ 118分
THE ART OF WAR
監督:クリスチャン・デュゲイ
脚本:ウェイン・ビーチ/サイモン・デイヴィス・バリー
出演:ウェズリー・スナイプス/ドナルド・サザーランド/アン・アーチャー/マイケル・ビーン


http://www.herald.co.jp/movies/artofwar/
index.html
(オフィシャル・Japanese)

http://artofwarmovie.warnerbros.com/
(オフィシャル・English)

クールなスパイ・アクションを期待して、ドナルド・サザーランドとマイケル・ビーン見たさに出かけたのにぃ〜!
見事にハズレちゃったよ。かなりエグいバイオレンスでした。

舞台はNY。チャイニーズマフィアが絡むと、暴力や殺人シーンがどうも“拷問的”になりはしませんか?
殴る・殺す事そのものが目的ではなく、敵に対して如何にダメージを与えるか、如何に見せつけるかというような・・・。
一瞬の情けや迷いは命取りになることを、殺るか殺られるかの歴史を繰り返してきた彼等の“血”が知っているかのようです。
うぅ、そこがエグいぃ。苦手なんです、そういうの。

普段から、その映画を観るまでは、なるべく事前情報は仕入れないようにしていますが、今回はそれが裏目。チャイニーズマフィアが登場することを知っていれば、それなりの心構えが出来たのに・・・。

この頃は、香港映画以外でも頻繁にカンフーによるアクションシーンを見かけるようになりました。本作でもウェズリー・スナイプスが披露。これじゃあ、「マトリックス」続編は大変だわね。皆、キアヌより数段動きが早いもの。

<ささやかな願い>
誰がワルか?という犯人探しのストーリーではなく、最初から悪役で登場するサザーランドを見たい!
もう悪役はやらないのかな・・・?しばらくご無沙汰ですね。

2001.2.26


アフリクション 白い刻印
1998 アメリカ 104分
AFFLICTION
監督:ポール・シュレイダー
原作:ラッセル・バンクス
出演:ニック・ノルティ/ジェームズ・コバーン/ウィレム・デフォー/シシー・スペイセク


http://images.amazon.com/images/P/
B00000IQVU.01.LZZZZZZZ.gif
(ジャケット)

ジェームズ・コバーンがオスカー(助演男優)を受賞した作品。アカデミー賞って「そろそろ、あげとかないと・・・」的なムードが無くはないでしょ?
「シンプル・プラン」のビリー・ボブ・ソーントンの演技がとても印象的だったので、その彼をおさえて受賞したコバーンをずーっと観たくて観たくてたまりませんでした。授賞式はとても感動的だったし・・・。

そこで今回観て、うん、コレは納得!です。コバーンもいいし、あまり好きじゃないニック・ノルティも本作はよかった。

父から子へと受け継がれていく虐待の行為。
その苦悩(=affliction)がテーマとして描かれています。監督は、「タクシー・ドライバー」の脚本家、ポール・シュレイダー。「タクシー・ドライバー」同様、こういう心の闇の世界って好きだなぁ、私。

これは感想をもう少し煮詰めて、映画雑文に載せます。
2001.2.18

カル
1999 韓国 118分
TELL ME SOMETHING
監督:チャン・ユニョン
脚本:コン・スチャン/イン・ウナ/シム・ヘオン/キム・ウンジョン/チャン・ユニョン
出演:ハン・ソッキュ/シム・ウナ


http://www.nifty.com/kal/(オフィシャル・Japanese)

「この作品は答えのある作品ではなく、観客へ問い掛ける作品。 映画が終わった時点ですべての物語が終わるのではなくて、そこから新しい答え探しが始まるようなものを目指しました。 ストーリーそのものは細かい部分まで最初に出来ていたんですよ。登場人物一人一人の性格、背景、細かな動機づけに至るまで。 そして、この手の内は明かさない方がいいな、と少しずつ削っていくような作業を繰り返し脚本が完成しました。」
(監督のインタビュー記事より)


その監督へ私は言いたい!
それでは伏せ字だらけの小説を読まされているようなものではありませんか? それでいて、「あとはどうぞご自由に」というのはあまりにも無理難題無謀陰謀ってもんです。

自由な視点での解釈、という点は同感ですが、“映画”は、その固有の作品として、それ自身の中で完結する必要があるのでは!と思います。作品に潜むテーマを深く掘り下げる意味での再見ならまだしも、初めからツギハギだらけのストーリーに振り回されて二度三度と繰り返し観るなんて、私にはぜーったい無理!

劇場公開版は約50分ほどのカットシーンがあるらしく、1年も経たないうちに“完全版”なんて出たら怒るでー!マジで。

韓国では、“現在 30 代で、80 年代に大学に在籍し、60 年代に生まれた世代”を指して“386世代”と呼び、この世代が映画界をリードしているらしい。監督や、主演のハン・ソッキュもその世代とのこと。あ、私も・・・。作り手が旬なら、観客も旬だよ〜。


バーティカル・リミット
2000 アメリカ 124分
THE VERTICAL LIMIT
監督:マーティン・キャンベル
脚本:ロバート・キング/テリー・ヘイズ
出演:クリス・オドネル/ビル・パクストン/ロビン・タニー/スコット・グレン


http://www.spe.co.jp/movie/verticallimit/
index.html
(オフィシャル・Japanese)

2001年最初の劇場鑑賞作品です。

雪山遭難救助物語。
ツッコミを入れればキリがありませんが、集約すると、「その後が見たいのよー!」という場面展開の連続でした。“九死に一生”の興奮は、“何故そうなったか”ではなく、“如何にして克服したか”にある!

ラストの、兄妹の笑みに違和感を覚えてはいけません。これがハリウッド・ルールなのですから・・・。


コックと泥棒、その妻と愛人
1989年 英=仏 124分
THE COOK, THE THIEF, HIS WIFE & HER LOVER
監督・脚本:ピーター・グリーナウェイ
音楽:マイケル・ナイマン
出演:リシャール・ボーランジェ/マイケル・ガンボン/ヘレン・ミレン/アラン・ハワード/ティム・ロス


http://images.amazon.com/images/P/
6301783026.01.LZZZZZZZ.gif
(ジャケット)

グリーナウェイと相性が良くて、いくつか作品を観てるのですが、一番の代表作といわれる本作になかなか縁がなく、やっとやっと鑑賞できました。で、やっぱ相性の良さを再確認。納得の面白さでした〜。

ラストの丸焼きは一見の価値あり!
「枕草子」では体中を埋め尽くした墨文字など、グリーナウェイの美意識と類い希な感性には驚かされるばかり。私にとって、決してそれが不快や違和感を感じないところが相性の良さなのでしょうか。

見所の一つは“色”。赤・青・緑・白・・・、それぞれの色が、レストランの中・外・厨房・化粧室を効果的に演出していて、この“色”の引用は本作品に欠かせないテーマの一つに思えます。

“その妻”役のヘレン・ミレンは、颯爽とした刑事役で登場するイギリスのTVドラマ「第一容疑者」で注目していた女優さんで、本作もいい女です。密かに、ティム・ロスも出てたのね。笑っちゃいけないけど、なぜか笑えました。

グリーナウェイ嫌いや苦手な人は多いので、あまり他人様にお薦めしませんが、グリーウェイ入門としては最適だと思います。他の作品群よりはとっつきやすいかもしれません。苦手な方にも、是非あのラストシーンは見ていただきたい!
さあ、〈欲望を召し上がれ〉(コピーより)

音楽はもちろんマイケル・ナイマン。
美しい悪夢をどうぞ。


フォー・ルームス
1995 アメリカ 99分
FOUR ROOMS
監督・脚本:アリソン・アンダース(第1話)/アレクサンダー・ロックウェル(第2話)/ロバート・ロドリゲス(第3話)/クエンティン・タランティーノ(第4話)
出演:ティム・ロス/サミ・デイヴィス/マドンナ/デヴィッド・プローヴァル/ジェニファー・ビールス/アントニオ・バンデラス/クエンティン・タランティーノ/ブルース・ウィリス


http://images.amazon.com/images/P/
6305327041.01.LZZZZZZZ.gif
(ジャケット)

4人の個性溢れる監督陣による4話のオムニバス。ある大晦日の夜、ホテルの4つの部屋で繰り広げられる世にも奇妙な出来事の数々・・・。それらに巻き込まれることになるのが、4話を通して出演となる、ベル・ボーイ役のティム・ロス。これぞ舞台俳優!ロスの独壇場ともいうべき作品。

ヒステリックな演技は嫌いですが、オーバーアクションは好み。その違いは、声を張り上げないこと。だから、本作の異常!にムダな動きの多いロスは十分楽しめました。ついでに言うなら、彼はメインで立ち回るよりも“受け”にまわった方が、くどくならなかったかもしれません。もしかして、ロスの存在にウンザリした人もいらっしゃるのでは?

その意味で、私としては第4話が面白い。ま、タランティーノは自分が一番いいとこ取りしたというわけで・・・。
ラストの、ライターがつかない→間髪入れずに手斧でスパッ→お金いただき!のテンポがGooですね。一番笑えました。

大人のための残酷童話/妖精写真
1998 イギリス 106分
PHOTOGRAPHING FAIRIES
監督:ニック・ウィリング
原作:スティーヴ・シラジー
脚本:クリス・ハラルド/ニック・ウィリング
出演:トビー・スティーヴンス/ベン・キングズレー/エミリー・ウーフ


http://images.amazon.com/images/P/
6305177341.01.LZZZZZZZ.gif
(ジャケット)

ファンタジー・ミステリーという、不思議な作品。ホラーでも怪奇ものでもなく、妖精の写真をめぐる、ほんのりもの悲しい一途な愛の物語です。

監督のニック・ウィリングは、ウーピー・ゴールドバーグ出演のアメリカのTVドラマ「不思議の国のアリス」で監督・脚本を務めています。ファンタジー作家?

偶然CATVのチャンネルが合い、思わず最後まで見てしまいました。後でタイトルを見てビックリ。何もこんなおどろおどろしい邦題をつけなくても・・・。

ちょっとジョニー・デップ似な主演のトビー・スティーヴンスが、この作品の雰囲気にとてもよく溶け込んでいて魅力的です。今回初めて対面しましたが、他の出演作は「オネーギンの恋文」「十二夜」などあまり多くなく、只今売り出し中というところかな?
他の作品もチェックしてみたくなりました。
2001.2.27


ゴッドandモンスター
1998 アメリカ 108分
GODS AND MONSTERS
監督・脚本:ビル・コンドン
原作:クリストファー・ブラム
出演:イアン・マッケラン/ブレンダン・フレイザー/リン・レッドグレーヴ


http://www.godsandmonsters.net/(オフィシャル・English)

http://www.nifty.com/fmovie/GM/(オフィシャル・Japanese)

イアン・マッケランて、ゾクゾク怪しい爺様ですよね。
あの自然なキスシーン! やられましたーって感じです。

彼が演じる元映画監督の老人は、人生の引き際をどう捉えていたか?
映画監督で名を馳せた人ですから、きっと独自の美学を持っていたことでしょう。他人の目にどう映るかというよりも、自らの美学を貫く方を選ぶのではないか・・・。そこで、ブレンダン君の手に掛かって死にたいと願う。

愛する人の手で殺されたいとか、愛する人だから殺すとか、愛を成就するというのは、時に残酷な結末を招くもの。だから“愛憎”って、いつも背中合わせなんですね。

主人公の老人を最も理解し愛していただろう家政婦は、どんな気持ちで彼の傍に居、彼に尽くしていたのだろうかと思うと、涙があふれてきました。

ラストのプールに浮かんだ老人の死体は、私の目には美しく映りました。見事な、人生のラストショットの演出だと思います。

2001.2.18


クリムゾン・リバー
2000 フランス 105分
THE CRIMSON RIVERS
監督:マチュー・カソヴィッツ
原作:ジャン=クリストフ・グランジェ
脚本:マチュー・カソヴィッツ
出演:ジャン・レノ/ヴァンサン・カッセル


http://www.crimson-jp.com/(オフィシャル・Japanese)

ストーリーとしては非常に面白いのですが、私が集中力を欠いていたためか、不可解な点がいくつか残り、不完全燃焼です。今どきのスリラーって、つじつまが合わないとか、説明不足とか、そんな細かいことを気にしていたんじゃダメなのかしら?
「カル」とハシゴしたことで、その思いをますます強くしました。

原作があろうとなかろうと、原作に忠実とかそうでなくても、映画は、映画という一つの作品自身で完結して欲しい!
解説本・原作・ネット諸々で補足しなければならない作品は、もうウンザリ。

観終わった後に、謎(ミステリー)についてあれこれ考えをめぐらすのはとても楽しいもの。しかし、本作品を含め近年のミステリー作品は、従来のそれとは手法も趣向も違うように思えます。映像や雰囲気だけで観客を納得させるというか・・・。あるいは、頭脳勝負でなく力業というか・・・。

また、本作で不満だったことの一つとして、ヒロイン役の女優に全く魅力が感じられなかったことが挙げられます。いわゆる一人二役の、ストーリーの中で最も重要かつ大切な役割を担っている存在になるわけですが、あのヒロインを演じ分けていたら、もっと作品に深みが出たでしょうね。残念です。脚本の浅はかさと言うよりは、役者の力量不足の感。人気俳優二人の起用で話題作りをするよりも、ヒロインのキャスティングに重点を置いて欲しかったなぁ。

フランス語訳のハリウッド映画という印象です。


レッド・プラネット
2000 アメリカ 106分
RED PLANET
監督:アントニー・ホフマン
脚本:ジョナサン・レムキン/チャニング・ギブソン
出演:ヴァル・キルマー/キャリー=アン・モス


http://www.redplanet-jp.com/project2/
index.html
(オフィシャル・Japanese)

火星探索あわや遭難物語。
〈火星〉は、人跡未踏の地であると同時に、映画の題材としてもまだまだ前人未到の境地のようです。

本作は「バーティカル・リミット」同様、ストーリーの緻密さや人物描写を期待するものではなく、スクリーンから溢れ出る映像を堪能すべきだろうと、前から3列目に着席。スクリーンの端から端を眺めるのに首をしっかり左右に動かさなければならない至近距離。顔の真ん前に字幕。・・・が、これが正解。首も痛くならなかったよ。座席はゼッタイ前!がおすすめです。

「マトリックス」でキャリー=アンに惚れたあなた!観てー!


ザ・ハッカー
1999 アメリカ 96分
TAKEDOWN
監督:ジョー・カペッル
原作:ジョン・マッコフ/下村努
出演:スキート・ウールリッチ/トム・ベレンジャー/ラッセル・ウォン


http://www.cybertraque.com/(オフィシャル・English)

実話を元にしたサイバー・サスペンス。ハッカーがクラッカーを追いつめる話。
主演は「スクリーム」で“シドニーの彼”を演じたスキート・ウールリッチ。そう、彼なんです。「どこかで見た顔なのよねぇ」と思いながら全く気付かなく、ネットのお友達に教えてもらいました。他に「恋愛小説家」「アルビノ・アリゲーター」にも出演しているらしいけど、あん、記憶がない・・・。

本作で、神経症的な自己中心知能犯・天才クラッカーに成りきったウールリッチのオーラは鳥肌が立つほど。続いて「楽園をください」へ出演するなど、もしかして近いうちにブレイクの予感さえ・・・。

さて、感想としては、「ハッカーもクラッカーも一緒や!」と私は思うのですが、「どうして俺が?俺とおまえはどこが違う!」と、塀の中にいる犯人に詰問された塀の外にいるセキュリティ対策の専門家が、何も言い返せなかったのはなぜ?
自ら、「私はハッカーで、奴はクラッカー(破壊者)」と言い切る根拠を聴かせてほしかったです。

劇中、犯人を追いつめるために数々のハッキング技術が登場します。が、“必要悪”というにはあまりに無責任な気がします。ハッキングって何だろう・・・。


奇跡の海
1996 デンマーク 158分
BREAKING THE WAVES
監督・脚本:ラース・フォン・トリアー
出演:エミリー・ワトソン/ステラン・スカルスガルド/カトリン・カートリッジ


http://images.amazon.com/images/P/
6305899681.01.LZZZZZZZ.gif
(ジャケット)

エピローグを含む全8章で構成されます。
 第1章:ベスの結婚/第2章:ヤンとの生活/第3章:独りの生活/第4章:ヤンの病気/第5章:疑惑/第6章:信仰/第7章:ベスの犠牲/エピローグ:葬儀

それぞれの章の始まりには、絵画のようなスコットランド(?)の風景をバックに、’70年代のロックの名曲が流れます。プロコル・ハルムの『青い影』、ディープ・パープルの『チャイルド・イン・タイム』、シン・リジィの『ウィスキー・イン・ザ・ジャー』等々。この音楽の引用は、いわゆる挿入曲・BGMとは異なり、製作者の強い意図を感じさせます。私はこれらの曲の聞いただけで、もうこの作品と波長がピタリと合ってしまいました。

そして、これらの仕掛けが、あのラスト・シーンと結びついた時、「あぁ、これはファンタジーなんだ」と思いました。主人公二人の愛のカタチは決して特殊でも狂信的でもない・・・。その限られた人生の中で、我が身を投げ出してでも救いたい者に出会えるかどうかということだけ。

それで、何も特別なことをテーマにしていない代わりに、こんなにアクを強くしちゃったのかしら?私は好きなんだけど、ぎとぎとのアクにまみれたやつ・・・。

このファンタジー性と音楽が、新作「ダンサー・イン・ザ・ダーク」へと集結していくのかな?これを書いている段階で「ダンサー〜」は未見です。早く観たい・・・。




上へTOPページ