>>TOPページ

私記:父の記録

琉大が燃えた日トップへ


前のページへ   次のページへ



矛先は琉大にトップへ

除籍!トップへ
 18日。前日の処分発表に際しての学長談話の中でも「本学の存続を危うくするが如き行動の絶対にないよう、学生諸君は固く学則を遵守するよう厳達する」と述べていたが、18日朝「当分の間、学内及び学外を問わず学生の集会を禁ずる」という学長名による「集会禁止令」が貼り出された。

 学生会では、この重大な事態に直面して臨時総会を含めこれからの行動計画について検討していたが、こうした学生の動きを警戒し、問題が拡大しないようそれを封じこめようとしたものであった。

 緊張感が続いている中、次のような声明を発表した。

  〈琉大学生会声明〉

 戦後11年、闘うべきものと闘い、手をとるべきものとは団結の腕を組み、ひたすら歴史の流れの必然と為政者の良心を信じ、郷土の繁栄と世界の平和を願って我々学生は勉学を続けてきた。学びの途中に銃をとらされ、一度鉄の暴風の洗礼をうけた我々は今こそ祖国と世界の平和を学生の純真な立場で守ろうとしている。

 しかし、6月9日発表されたプライス勧告は我々の生活権さえ奪おうとしているものであり、同勧告の沖縄住民に及ぼす生活的不安を除くために我々学生は起ち上ったのであるが、米国民政府は沖縄の政治的経済的な弱さにつけこみ、オフ・リミッツ問題をわれわれの四原則貫徹運動と絡ませ、住民に多大の誤解を与えている。このようなさ中にあって四原則貫徹運動の一環である学生のデモ行進を反米(容共)であると解釈し、軍により琉大理事会と評議会を学校の存続のためといって7名の犠牲者を出さねばいけなかったということは遺憾であり、本学が果して沖縄の良き指導者を養成するための大学であるかを疑うものである。民主主義社会に於ては、住民の意志は尊重さるべきであり、大学の自治は侵すべからざるものであるということは言うまでもない。大学存続と7名の学生処分が天秤にかけられ、結局退学処分に付されたことは、反米に名をかりて民族の悲願である四原則貫徹の闘争をふみにじるものであり、大学の自治を自ら否定するものである。

 我々学生は民政府と理事会及び大学当局のかかる不当な措置に対し、琉球大学の将来の発展と真に住民のための大学にしていかねばならないという観点に立脚して絶対に反対するものである。そして今後も、全住民と共に琉球大学学生会は四原則貫徹のために奮闘することを誓う。
- 27 -



前へ      もくじへ      次へ