西 的 視 点
Nishissu Eye's
欧州蹴球界の大御所がいきなり緒戦で相間見える.西ドイツ時代からもオランダとは宿敵というかそういう間柄だった.同世代に両国の精神的主柱とも言うべき,皇帝フランツ・ベッケンバウワー×トータルフットの体現者ヨハン・クライフが世に出たのが原因かも(私見です).
それでもどっちかがプレーオフを経験しなきゃこんなことはなかった訳で(A組にスペインだし,C組はイングランド)実績と現在の実力とが必ずしもイコールにはなってないことを,他国が強国と肩を並べたりなんかしてるのを実感しちゃうッス.
で,試合.両国ともベースはずっと昔から変わらない.それは歴史ある国だからできることさ.ポジションチェンジを繰り返しつつ2列目からの飛び出しで勝機を伺うオランダ.ディフェンスラインからしっかりとビルドアップしていく(攻めの圧力)ドイツ.サッカーの試合として正攻法,穿った見方でなく,素直に見れちゃうッスよ.
先制点はドイツ.左タッチライン際からの FK.フリンクスが蹴ったボール.ドイツ FW もオランダ DF も,そしてファン・デル・サールでさえも … そのままゴールに入っちゃった(苦笑).こんな試合では得てしてよくあったりする点の入り方でございますわな.オランダ>ドイツ,だっただけにドイツ先制は素直に「面白い」そう思う.
点を取られてからオランダのリズムがおかしくなった.パスが通らない.ファールが増えた.ボール回しが怪しくなった.サイド攻撃が影を潜めた(FW 孤立).個人の力量だけで打開しようとしてる.サッカーは一人ではできないですよ(ペレやマラドーナじゃないんだから …).前半はまま終了.控え室に戻る画像の中にビブス着たクライファートの姿が … 出れんのか?
ダービッツとゼンデン交代.微妙な交代.ゼンデンはまだしもダービッツは効いてたような気がしたんだけどなぁオランダ.ドイツは交代はなし.そのまま逃げ切る算段,できれば追加点って感じだしょう.中盤以降ガシガシ攻めて攻められ堪えて耐えられての繰り返し.もうダメかね,なんか打開策ないじゃん.
このまま行っちゃうかと思った残り10分.右サイドコーナー近辺で強引に奪ったファン・デル・メイデ@インテル.ゴールラインギリギリからすんげーカーブのセンタリングをニアに.そこには DF を背負ったファン・ニステルローイが後ろに倒れながら右足の甲で逆サイドネットに突き刺した.ナンテゴールや,アンビリバボーですな,これは.あのでかさでなんでこんな細やかな足技を魅せられるのか? それだけ凄い才能だわけね.
残りの10分は見ごたえが合ったッス.両国の威信をかけて守りに入るとかではなく,交互に攻めあい.点が取れないのが今の両国の調子の悪さを象徴しているんだけども,それはそれで置いといて,この10分は「勝ちたい」と言うより「こいつらには負けられない」っていう意地の張り合いが見れて面白かったッス.
Man of The Match by Nishissu : 0.8秒で評価のファン・ニステルローイ
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