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サムスンに学ぶな! 2014年出版 彩図社 |
成功のスイッチ ~ 日本の流儀~ 2011年企画出版 沖縄ブックサービス |
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沖縄に学ぶ 成功の法則 2006年企画出版 沖縄スタイル |
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沖縄の オンリーワン企業② 2001年企画出版 ボーダーインク |
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沖縄の オンリーワン企業 1999年企画出版 ボーダーインク |
資金ショートした企業を立て直した事例です。
なにげなく参加したある異業種交流でのこと。
メーカーN社の社員Aさんが深刻な顔で「なんとか会社を救ってほしい」と依頼されました。売上が落ち込んで、賃金カットをしなければならない厳しいメーカーB社。どうやら営業が上手く機能していない様子です。
「話はわかりました。では会社を訪問します」ということで、N社を訪問したのです。独自の製造方法で特許をとっており、強い商品力がありました。
問題は、営業力でした。B社に限らずメーカー特有の悩みです。もの造りは得意ですが売れる仕組みを作るのが下手です。
そこで、営業を総括している幹部Sさんに「営業会議、顧客分析などしていますか?」と基本的なことを聞いたのです。
「いいえ、したことはありません」と、信じられない返答。びっくり仰天とはことのとです。驚いた私は、売上データを整理してくれと指導しました。得意先の営業スタンスが不明瞭なので営業幹部へ尋ねました。
「得意先どのように営業をしていますか?例えば、訪問回数とか決めています?」
「特に決めていません」
「そうですか。では取引の多い、売上の高いO社はどうですか?」
「O社は、担当窓口の対応が悪いのであまりいきません」
と、またまた驚きの返事が返ってきました。営業窓口の対応が悪いのは、O社の責任ですが担当者の好き嫌いで営業に行かなければ、売上は落込むのは当然です。営業幹部は、「気分で営業」をしていたんですね。B社商品は時々メディアで取り上げられ為調子が良い時は、問題点が見えないのですが根本的な営業の仕組みが構築されていなかったので、売上が激減したのです。
そこで、3つの方針を立てました。
・営業の仕組みを構築する
・県外営業担当者を育成する
・県外市場を攻める
営業ミーティングでも営業幹部Sさんは不満、抵抗はありました。
しかし、営業が手薄なのでなんとかしなければなりません。営業幹部を差し置いて、県外営業を私が使命したのです。売上を作らなければなりません。
事務を担当しているNさんに「事務をやっている場合ではない。県外営業をしなさい。営業のやり方は自分が教えるから」
それから、Nさんを連れて、知合いの卸会社へ行き、私が同席していっしょに売込みをしたのです。別の流通会社もいっしょに回り新規に販路開拓もしました。それから、Nさんは県外営業担当者として新しい県外企業を開拓し始めたのです。
それから数か月後、県外からの引き合いが増え売上が急速に回復しました。
話しはそれだけはありません。
なんと!売上が回復しただけなく、創業以来、初めて単年度黒字になったのです。その後は、売上も順調に伸び、今は移転し、新しい社屋となり新しい展開をしています。
営業幹部Sさんは直接私にを批判はしませんでしたが、土足で踏み込む私には批判的でした。営業幹部Sさんのやり方は、明らかに間違っているわけですから誰かが正し、正しい方向へ導く必要がありました。
恨みを買っても、1人です。B社には従業員がいるわけですから。本来は、営業幹部Bさんがやるべき仕事を私が代わってやらざろう得ない状況。つまり、営業幹部Bさんの尻拭いを私がしたのです。尻拭いをして、結果を出し、恨まれたらたまってものではないのですよね。
まぁコンサルとはこういう商売です。
従業員の苦悩、苦労を考えず自分の趣味の様にのんきに、好き嫌いで経営したい経営者、幹部が多いのも現実としてあります。もっと従業員のことを真剣に考える必要があります。
それが経営者、幹部の務めです。