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サムスンに学ぶな! 2014年出版 彩図社 |
成功のスイッチ ~ 日本の流儀~ 2011年企画出版 沖縄ブックサービス |
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沖縄に学ぶ 成功の法則 2006年企画出版 沖縄スタイル |
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沖縄の オンリーワン企業② 2001年企画出版 ボーダーインク |
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沖縄の オンリーワン企業 1999年企画出版 ボーダーインク |
H社は掃除用品、掃除サービスの代理店で、マット・モップ等のレンタル、ペットハウスクリーニング、ハウスクリーニング、寝具丸洗いなどのサービスを提供しています。
どのように見込み客を増やすのか企画担当のIさんと話をしている時、「そう言えば、営業に行くとお客さんへ何が勧めやすい?」と聞いてみました。
「尿石付着防止剤です」
「尿石付着防止剤?」
「便器に尿石等の付着を防止するモノです」
尿石付着防止剤は、男性の小便器に置かれていますが、価格も安く営業としては店舗などに勧めやすい商品です。トイレが汚いと再来店率が低くなるというデータもあり、トイレを清潔に保つことは店舗にとって営業と直結する課題でもあります。
トイレに焦点を当ててアイデアが浮かんだのが「トイレコンテスト」です。
「トイレを清潔に保つことは店舗にとって売上に直結するわけだし、トイレのコンテストをしてみるのも面白いかも。トイレコンテストを主催することで、H社=トイレのイメージを作ることができ、コンテスト参加者は見込み客にも繋がると思う」と私が言うと、「面白そうですね。でもコンテストを開催するにはどうすればいいのですか?」とIさん。
「わかった。自分がたたき台となる企画書を書いてみるよ」と、私がトイレコンテストの企画原案を書きました。
■トイレキレイ!コンテストの目的
ニューヨークの地下鉄は犯罪のルツボだったが、電車の車体を綺麗にすることで犯罪を減らすことに成功した。綺麗にすることは単に見た目の美観だけでなく、人の心にも大きな変化を及ぼし、心もキレイに浄化することが、ニューヨークの地下鉄をはじめ多くの実例で証明されている。「トイレキレイ!コンテスト」では、「キレイは心もキレイになる」ことを実感してもらうため、キレイとは無縁の場所であるトイレに焦点を当て、キレイ!コンテストを実施する。「世の中をキレイにする」きっかけにする。
■トイレキレイ!コンテスト内容
トイレ自慢の方(個人、法人)に、規定項目(トイレの写真、掃除自慢、トイレキレイ!効果など)を書いて応募してもらう。書式は自由。選考委員会が、書類選考し、現場視察ヒヤリングし、最終選考する。個人、法人部門で表彰する。
公共施設のトイレコンテストは実施されていましたが、一般家庭、民間企業を対象にしたコンテストは日本で初めてです。
たたき台を基に色々議論していく中、単なる営業活動の一環としてではなく、キレイにすることで心もキレイにすることをH社が発信していければH社だけでなく社会貢献できるメセナ事業になると予感しました。K社長をはじめ経営者幹部も大いに賛成しコンテストは実施する方向で検討することになりました。
「運営はどうするの? 広告代理店とかに依頼するのですか?」とK社長が聞くので、「社内にプロジェクトチームを作り、手作りで進めましょう。運営は私がコーディネートするので大丈夫です」と答えました。
広告代理店などにコンテストを丸投げすれば楽ですが、コンテストの企画運営を社員で実施することで人材育成に繋がると考えたのです。
主催はH社ですが、社会貢献するメセナ事業に位置付けるため、コンテストの趣旨に賛同する協賛企業も集めたのです。
運営方法、審査方法、チラシづくり、テレビコマーシャル、ネット広告、広報などスタッフで手分けして急ピッチに仕上げていき、県庁記者クラブで会見もしました。
一般家庭の個人、店舗事務所の企業でどれだけ集まるのか、初めての取組みなので予測がつきませんでした。募集を開始すると個人、企業あわせて111件の応募があり、成功裡に終了しました。
私は写真でしか見たことないのですが、こだわりのトイレが色々ありました。
トイレをキレイにすることで心をキレイにするということを、このコンテストを通じて実感しました。